市立小の教職員「ほっとする時間がない」 語る会で市長に 三重・松阪
タブレット活用、視力への影響懸念
三重県松阪市の竹上真人市長が市民らと意見交換する「市長と語る会」が11日午後7時から市役所で、市立小学校の教職員を対象に開かれた。参加者からは、ICT化に伴うタブレット端末の活用について視力への影響を指摘する声や、子供たちの日々の成長にやりがいを感じながらも子供と接する難しさ、人手不足などを背景にした忙しい職場環境などの話が出た。 住民らと今後のまちづくりや地域課題などをテーマに意見交換するもので、今回は初めて介護士や保育士、小、中学校教諭などを対象に11月20日から12月17日まで全5回開いている。 この日は11小学校の26歳から30歳までの教諭、養護教諭、事務職員12人が出席。自己紹介の後、竹上市長が意見を求めると、養護教諭がICT化に関する懸念を指摘。「タブレットが子供たちにとって当たり前のものになっているし、欠かせないものになっている」としつつ「養護の立場としては(導入以降)視力がA(1.0以上)じゃない子が増えていることを伝えたい。以前は1、2年生で1.0ない子はいなかった」と明かした。 続けて「タブレットを授業で使って家でも宿題で使って、一体、何時間画面を見ているのかと考えてしまう。休み時間もタブレットをして外で遊ばない子が増えた。便利さと健康の折り合いをつけないと」と述べた。 1年生担任の男性は女子児童との接し方で悩みを話した。「私を羽交い締めにしたり、(自分の)腕をぺろぺろなめられる」とし「女の子からは『(先生)格好いい』『好き』と言われてまとわりつかれる。それはいかん、と言うが…」と話した。
小学校統合該当の児童からの話がない
統合する計画の学校の3、4年の男性担任は「統合に該当する4年生以下の児童から統合についての話が全く聞かれない。5、6年生はよく話しているが(4年生以下は)タブー視している気がする」と語った。その上で「子供たちに寄り添って活性化(統合)しないといけないが、具体的にどうやっていったらいいのか分からない」と吐露した。 1年生の女性担任は「毎日いろいろあるので楽しい職場だが、自分がほっとする時間がない」と切り出した。そして「ずっと子供たちがいるので自分の休み時間がない。トイレに行くのも忘れるくらい。1年生だから仕方がないが、何でそんなことまで自分に言ってくるのか、聞いてくるのかという話が1日30~40回くらいある」と打ち明けた。その上で「この仕事は精神的にタフじゃないとできない」「(自分が休むと)代わりの人が居ないので自分の体調管理が一番と思っている」と結んだ。 5年生担任の男性は「教材研究する時間がないので、土日曜日に1週間分の教材研究をしている」とした。
「不登校児童の理解者に」「保護者にも寄り添う」
この他、不登校に関しては「保護者が悩んでいるケースが多いので、まず保護者に寄り添うようにしている」「社会と関わる機会をなくさないよう対応している」「子供の一番の理解者になるよう努めている」「さまざま支援員やスタッフの方々に支えてもらい感謝している」などの話も挙がった。