野球 × ヒップホップ × ストリートから着想。 ローリングスの新ブランド「コンバットMFG」にみる若年層攻略法
D2Cモデルとストリートウェアの影響
コンバットブランドの主力製品は野球のバットだが、ローンチ時にはTシャツ、帽子、バッティンググローブ、バットグリップも含まれる。カヴァナー氏によると、今後のシーズンにはさらに多くの製品カテゴリーが計画されているという。ローリングスがD2Cと卸売を組み合わせているのとは対照的に、コンバットは完全にD2Cでの販売となり、同社のほかのブランドとは区別されている。コンバットオンラインストアでは、ローリングスとの関係については一切触れていない。 だがスニーカーやストリートウェアからのインスピレーションは、単なる美学にとどまらない。コンバットは約500ユニットの限定版ドロップで製品をリリースする。各ドロップはナンバリングされ、コラボレーションも頻繁に行う予定だ。第一弾となるコレクションにはニューエラ(New Era)傘下のスポーツブランド「47ハッツ(47 Hats)」とのコラボレーションが含まれている。 「主力商品はバットだが、このブランドは本当に何でもありだ」とカヴァナー氏は言う。「製品ローンチの障壁を取り払っているので、すばやく方向転換して新しいことに挑戦できるだろう」。
NIL規則が変更に 若手アスリート起用による新戦略
ジ・オルトリーグは、コンバットのマーケティングローンチを考案する際に、最近変更された「名前、イメージ、肖像権(NIL)」に関する規則によって学生アスリートがブランド契約を受け入れることが許可されるようになったことを受け、それを活用して注目されている若手アスリートを採用した。レイクビューアカデミー(Lakeview Academy)のキャッチャーで、インスタグラムに140万人、TikTokに290万人のフォロワーがいるジェイデン・ウォルトン氏は、コンバットのキャンペーンに参加している数人の若手アスリートのひとりだ。 ジ・オルトリーグの共同エグゼクティブクリエイティブディレクター、キミ・ピーターソン氏は、「我々の計画は、これらの若者たちを世に送り出し、ミュージックビデオのように撮影することだった」と語る。「我々は彼らをスターのように扱った」。 NIL規則の緩和は、WNBAのようなプロスポーツリーグにとって追い風となっている。WNBAは、学生選手がキャリアの早い段階でファン層を形成することで恩恵を受けてきた。MLBの視聴率は今年5%伸び、10月25日に開幕したワールドシリーズは、現在一試合あたり400万人近くが視聴している。 「我々は長年にわたって多くのプロアスリートと仕事をしてきた」と、ジ・オルトリーグの共同エグゼクティブクリエイティブディレクター、リック・アルバーノ氏は言う。「だがキャリアをスタートさせたばかりのこうした若者たちには非常に熱意がある。ソーシャルメディアに囲まれて育ち、自分のビジネスを構築している。彼らは自分が何をしているのかわかっているのだ」。 [原文:Baseball brands are taking cues from basketball’s relationship with fashion] DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida、編集:戸田美子)
編集部