米GDP、7-9月は2.8%増の堅調ペース-個人消費が原動力
(ブルームバーグ): 米経済は7-9月(第3四半期)に底堅いペースで拡大した。インフレの沈静化が続き、個人消費が広範囲で活発だったことと堅調な事業投資が主な原動力となった。
今回の統計で浮き彫りになったのは、根強い物価上昇圧力と高い借り入れコスト、政治的不透明感の中にあっても拡大を続ける経済の持続力だ。インフレに関する進展はここ最近失速気味だが、連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げサイクルをスタートさせている。
企業と消費者はトランプ次期政権による経済政策の導入を待っている状態だ。
経済活動のもう一つの主要指標である国内総所得(GDI)は2.2%増加し、4-6月(第2四半期)の2%増を上回る伸びだった。GDPは財・サービスに対する支出を測定するのに対し、GDIは同じ財・サービスの生産に伴って生じる所得と費用を測定する。GDPとGDIの伸び率平均は第3四半期に2.5%だった。
GDIには企業利益のデータが含まれる。税引き後の企業利益は、ほぼ変わらず。利益マージン総額の指標である、非金融企業の粗付加価値(GVA)に占める利益の比率は15.6%と、前四半期の15.5%から小幅に上昇した。
インフレ面では、米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数が7-9月に前期比年率1.5%上昇で、速報値と変わらず。食品とエネルギーを除いたPCEコア価格指数は2.1%上昇。速報値は2.2%上昇だった。
基調的な需要の強さを測るインフレ調整後の国内民間最終需要は3.2%増と、今年最も高い伸びとなった。
政府支出は年率5%増加。年率14%近く伸びた国防支出に押し上げられた。
一方、純輸出はGDPへの寄与度がマイナス0.57ポイント、在庫の寄与度はマイナス0.11ポイントとなった。
設備投資は3.8%増と、今年最も低い増加率。構築物への投資減少が響いた。しかし、企業による機器関連の設備投資は10.6%増と、この1年余りで最大の伸びを記録した。