物議を醸した“南関東7車連係”に帝王・山田裕仁氏が見解「ファン目線では面白くないと思うが致し方なしか」/小田原競輪G3決勝
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが小田原競輪場で開催された「北条早雲杯争奪戦」を振り返ります。 2024年8月27日(火)小田原12R 開設75周年記念 北条早雲杯争奪戦(GIII・最終日)S級決勝 ※左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①郡司浩平(99期=神奈川・33歳) ②脇本雄太(94期=福井・35歳) ③松井宏佑(113期=神奈川・31歳) ④阿部拓真(107期=宮城・33歳) ⑤北井佑季(119期=神奈川・34歳) ⑥松坂洋平(89期=神奈川・42歳) ⑦和田真久留(99期=神奈川・33歳) ⑧新村穣(119期=神奈川・30歳) ⑨鈴木裕(92期=千葉・39歳) 【初手・並び】 ←⑧⑤③①⑦⑥⑨(南関東)②④(混成) 【結果】 1着 ①郡司浩平 2着 ③松井宏佑 3着 ⑦和田真久留
初日から存在感を発揮した地元・神奈川勢
8月27日には神奈川県の小田原競輪場で、北条早雲杯争奪戦(GIII)の決勝戦が行われています。南関東では平塚・オールスター競輪(GI)に続いてのグレードレース開催で、S級S班からは佐藤慎太郎選手(78期=福島・47歳)と脇本雄太選手(94期=福井・35歳)の2名が参戦。オールスター競輪の最終日に落車した松浦悠士選手(98期=広島・33歳)は、骨折などはなかったようですが、体調不良で残念ながら欠場となりました。 期するものがあったのは、やはり地元である神奈川の選手。オールスター競輪の決勝戦でファンの期待に応えられなかった郡司浩平選手(99期=神奈川・33歳)や松井宏佑選手(113期=神奈川・31歳)、優出を逃した北井佑季選手(119期=神奈川・34歳)などは、いつも以上に気合いが入っていたことでしょう。地元・神奈川勢は、初日特選に4名が出場。ひとつのラインに結束して勝負してきました。 ここは、先頭を任された松井選手が前受けから果敢に先行。赤板(残り2周)から仕掛けた脇本選手や、捲ってきた小林泰正選手(113期=群馬・30歳)などの追撃を退け、松井選手の番手から差した北井選手が1着でゴールインしました。2着が郡司選手で3着が松井選手、さらに4着も和田真久留選手(99期=神奈川・33歳)と、ラインによる上位独占を決めています。 さすがは地元という走りで、短走路で捲りが決まりづらいという、小田原バンクの特徴を生かした走りができていましたよね。カントが非常にキツいので、コーナーで外から捲るのは容易ではない。「前受けから突っ張って先行」という現代競輪における“勝ち”のセオリーが、これほど有効に機能するバンクも珍しいでしょう。その後の二次予選や準決勝でも、神奈川勢はおおいに存在感を発揮していました。 初日特選では9着に大敗した脇本選手も、二次予選と準決勝は、いずれも1着で決勝戦に勝ち上がり。元ナショナルチームというのもあるのか、脇本選手は短走路を得意としているような印象があります。打鐘から素晴らしいスピードで捲った準決勝での走りはじつに力強く、デキも上々である様子。佐藤選手は残念ながら二次予選で5着に敗れて、優出を逃しています。負け戦での結果から考えるに、ややデキ落ちだったかもしれませんね。