フォンテインズD.C.が語るスマッシング・パンプキンズやKornからの影響――最新作「Romance」インタビュー
カーリー:あれは去年ロンドンで書いた曲で、その時はとても寒くて、だから寒々しい雰囲気の曲が書きたかったんだ(笑)。青みがかかったような曲をね。当時、プライマル・スクリームやマッシヴ・アタックのような、どこかメランコリックなサウンドに惹かれていて。オリジナルのデモはエレクトロニックなドラムを多用していて、もっと実験的でフリーキーなサウンドだったような気がする。でも、最終的に完成したアルバムのバージョンに満足しているよ。
――トムにとって、個人的に思い入れの深い、自分をリプレゼントしてくれるような曲はどの曲になりますか。
トム:間違いなく「Here's The Thing」だと思う。この曲は、僕らがスタジオで書いた最後の曲だったと思う。最後のスタジオ・セッションの日、全てのトラックを仕上げた後にみんなでジャム・セッションを始めたら、突然この曲が生まれたんだ。まるで、曲自体が自分から飛び出してくるような感覚だった。どのアルバムにも自分たちの分身がいるような気がするけど、この曲は特に僕たちの本質を如実に表していると思う。そう、この曲はただ演奏して踊り出したくなるような、純粋な衝動に突き動かされるような曲なんだ。だから「Here's The Thing(※ここに本質がある)」ってタイトルにしたんだ。
――今回のアルバムでは、特に「Desire」や「In The Modern World」で聴ける、グリアンの情熱的でロマンチックな歌声も深い印象を残します。グリアンは昨年、内省的なソロ・レコードを発表しましたが、側(はた)から見て彼の変化を感じたり、何か思うことはありましたか。
トム:最初のレコードから今に至るまで、僕らはそれぞれのポイントにおいて独自のスタイルを確立してきた気がする。その成長の過程で、ボーカリストとしてのグリアンの変化を各作品で見ることができるのは本当に素晴らしいことだと思う。君が言うように、このアルバムは、まさに今に至るまでの彼の変化の軌跡を如実に感じることができる作品だと思うよ。