社会保険料の滞納14万件、倒産も爆増中「本人負担を隠す政府の『増税』トリック」あまりの理不尽に税理士が激怒…106万円の壁撤廃の恐怖
手取りをやっぱり減らそうとする政府
これにより、これまで社会保険の加入対象外だったパートタイム労働者にも保険料が課されるようになり、本人の手取りが減少するだけでなく、会社の負担が突発的にさらに増加することが懸念される。 帝国データバンクの調査はこう指摘している。 <社会保険料や税金など、「公租公課」の滞納が要因となった企業の倒産が増加している。多額に上る公租公課の滞納や延滞金の未納により、自社の預金口座や土地などの資産を差し押さえられ、経営に行き詰まった「公租公課滞納」倒産は、2020~2023年度の4年間で334件判明した。このうち、2023年度は138件となり、全体の41.3%を占めた。2022年度の97件から1.4倍に増加したほか、支払いが猶予されていたコロナ禍の2020年度(46件)からは3倍に増えた> <日本年金機構によると、厚生年金保険を含む社会保険料を滞納している事業所は、2022年度末時点で14万811事業所に上り、適用事業所全体に占める割合は5.2%を占めた。前年度に比べて滞納事業所数は減少したものの、依然として多くの企業が納付に苦慮する状態が続いている>
税理士「毎月ボディブローのように資金繰りを悪化」
税理士の井出進一氏は、社会保険料の徴収制度について強い口調で次のように怒る。 「社会保険の現在の制度の良し悪しはさておき、会社の資金繰りの視点でいえば社会保険料の支払いは会社にとってかなりの高額で、かつ業績が苦しい時ほど厳しい仕組みになっています」 「労使折半というのが曲者で、一般的な口座振替であれば毎月月末に給与額面の約30%の社会保険料(うち15%は給与額面とは別の会社負担の社会保険料)が引き落とされますので、赤字でコロナのゼロゼロ融資の返済負担が苦しい企業などであれば、毎月ボディブローのように資金繰りが悪化してしまいます」 「さらに現在はタイミングが悪く、物価上昇により利益が圧迫されている会社も多く、さらに人件費アップ要請によって給与をアップすれば、同時に会社負担の社会保険料も増大するわけです。業績が向上しているときは良いのですが、業績が下降しているタイミングにおいては、消費税や社会保険の支払の仕組みはとにかく資金繰りへのダメージが大きく苦しいものになります。かといって人件費を抑制すれば採用も困難となり業務が回らなくなるでしょうから、社会保険料の負担は資金繰りにとどまらず会社経営そのものへ影響を与えてしまっているケースもあるでしょう」 このようにそもそも会社の負担が大きい社会保険であるが、今後はさらに社会保険の加入対象企業の範囲拡大(従業員51人以上)や106万円の壁の撤廃問題などで負担範囲が大きくなっていく。 例えばパート採用が多いコンビニやスーパーなどが、これまで加入義務がなかった人員について新たに会社負担の15%の社会保険料を負担することになれば、資金面でも事務的な面でもかなりの影響があるだろう。 従業員の手取り問題だけでなく会社負担額の大きさも社会保険の特徴であるため、当然滞納も生じやすい。社会保険の滞納問題について井出氏は次のように語る。
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