社会保険料の滞納14万件、倒産も爆増中「本人負担を隠す政府の『増税』トリック」あまりの理不尽に税理士が激怒…106万円の壁撤廃の恐怖
106万円の壁撤廃「倒産の引き金になってもおかしくない」
井出税理士によれば、例えばパート採用が多いコンビニやスーパーなどで、社会保険の加入対象企業の範囲拡大(従業員51人以上)や106万円の壁の撤廃問題などにより、これまで加入義務がなかった人員について突如会社負担の15%の社会保険料の支払が新たに発生すれば、資金面でも事務的な面でもかなりの影響がある。従業員の手取り問題だけでなく、会社負担の大きさも社会保険の特徴といえる。社会保険料の滞納という側面でみると、労使折半の約30%の保険料の納付責任は、すべて会社が負うことになる。 「毎月の引き落しがあるので、資金繰り的に滞納が発生する機会も多くなりますが、放置しなければ年金事務所も分割納付などはある程度応じてくれるようです。とはいえ、高額な社会保険料の支払いは毎月発生していくもので、分割納付も困難という事態になれば、差し押さえまでの動きは消費税などの国税関係よりも動きが早い、とも聞いています。特に近年、年金事務所は社会保険に未加入だった会社の強制加入や差し押さえなどを強化してきているような感じですが、会社にとってはコロナ渦のダメージ、ゼロゼロ融資の返済開始、物価上昇、賃金アップの要請、さらに106万円の壁撤廃などによる社会保険の適用範囲の拡大などが一気に押し寄せているなかでの差し押さえ強化は、とにかくタイミングが悪く倒産の引き金になってもおかしくないという印象です」
社会保険料負担の増加が新規採用の抑制要因となるケース
社会保険の事務手続きに関しては、政府は2020年4月以降、一定の法人に対して社会保険料の電子申請(算定基礎届など社会保険料を決定するための手続き)を義務付けるなど、手続きの効率化を図っている。しかし、これらの対策はあくまで事務処理の電子化による改善にとどまり、社会保険料そのものの負担軽減にはつながっていない。中小企業団体からは、手続きの簡略化よりも、段階的な保険料率の適用や負担軽減措置の拡充を求める声が多く上がっている。社会全体としてこの問題に取り組む必要がある。 労働政策研究・研修機構の研究では、社会保険料負担の増加が新規採用の抑制要因となるケースが報告されている。これにより、若年層の雇用機会が減少し、世代間の格差が拡大する可能性がある。この状況は、若者の将来不安を増大させると同時に、少子高齢化が進む日本において労働力確保をさらに困難にする要因となり得る。
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