話題の銭湯&サウナ7選を紹介! 進化し続ける、江戸で花開いた銭湯・蒸し風呂文化
東京を語る上で、銭湯は外すことができない重要な文化だ。江戸時代から人々の社交場として栄えた銭湯はいま、デザインの力を得て進化している。ブームを経てもなお増え続けるサウナもまた、デザイン性に優れた新施設が次々に誕生している。 【写真多数】話題の銭湯&サウナ7選の画像をすべて見る
温泉大国・日本において、温浴文化は古くからあったのだが、湯銭を払って入浴する大衆浴場としての銭湯が登場したのは江戸時代初期だといわれている。当時は庶民の家に内風呂があるのは珍しかったから、銭湯の存在はかなり大きなものだったのだろう。 江戸時代末期、東京に600軒ほどあった銭湯は1960年代後半に2600ほどに増えたのをピークに、2022年には462に減少した。そこには一般家庭への風呂の普及など、日本人の生活スタイルの変化が理由としてある。銭湯の総数は減っているものの、現在の東京では銭湯文化の大切な部分を守りつつ、建築・デザインの力を得て進化した銭湯が増えているのも興味深い。 減少傾向の銭湯に対して、ブームを経て増え続けるサウナの存在がある。面白いのは、そもそも江戸時代の銭湯はスチームサウナというべき蒸し風呂だったのだ。江戸の庶民はサウナに親しんでいたといえるのではないだろうか。 進化するサウナにおける東京の傾向として、限られたスペースの有効利用と、プライベート感を追求するという潮流がある。江戸時代に花開いた銭湯と蒸し風呂の文化が、400年の時を経て進化した姿を楽しまない手はない。
黄金湯【錦糸町】
新たな流れを生んだ、話題のデザイナーズ銭湯 1932年に創業した老舗銭湯、黄金湯が2020年にリニューアル。総合プロデュースをアーティストの高橋理子、内装をスキーマ建築計画が手がけ、浴室には画家・ほしよりこによる富士絵巻図が描かれるなど、各地で増え続けているデザイナーズ銭湯の代表的存在となった銭湯だ。「グローカル銭湯と幸せ空間」をコンセプトにしたリノベーション後は、風呂やサウナの魅力はもちろん、DJブースのある「番台バー」での音楽や自社醸造のクラフトビールを楽しみに訪れる人も多く、新しい銭湯のかたちを見せてくれている。