まさにデベロッパーとパブリッシャーの婚活パーティー!? 人生を変える!(かもしれない)両者をつなぐリアルピッチイベント“GPB: Connect@BitSummit”に潜入取材を敢行
2024年7月19日~21日に京都市勧業館みやこめっせにて行われたインディーゲームの祭典BitSummit Driftに合わせて、とても興味深いイベントが行われた。“GPB: Connect@BitSummit”だ。 【記事の画像(15枚)を見る】 ここ数年個人/少人数規模のゲーム開発に注力している集英社では、ゲームデベロッパーとパブリッシャーを繋ぐピッチプラットフォーム“Game Pitch Base”の無料β版を2023年12月20日より提供開始しているのだが、“GPB: Connect@BitSummit”は、そのリアル版として開催される初のピッチイベントだ。 ピッチとはそもそも、ビジネス的には“短い時間に簡潔な言葉で相手に提案する”こと。“Game Pitch Base”は、クリエイターのゲーム企画とパブリッシャーとのマッチングをサポートするプラットフォームとなる。 インディーゲームクリエイターにとって、パブリッシャー探しはタイトルを世に出すにあたって大きな助けになる。一方パブリッシャーは、すぐれたゲームタイトルをつねに求めており……と、そんな両者のマッチングの手助けをすべく開設されたのが“Game Pitch Base”だ。同プラットフォームは、集英社が運営するコミュニティサービス“ゲームクリエイターズCAMP”の活動の一環として行われている。 そんな“Game Pitch Base”のリアル版である“GPB: Connect@BitSummit”が、BitSummit Driftに合わせて実施されるという。この話を聞いて、「デベロッパーとパブリッシャーのマッチングはどのようになるのかしら? 婚活パーティーみたいな感じになるのかな……」と、興味津々だった記者ではあるが、プレゼンを行うデベロッパーとパブリッシャーしか参加しないクローズドな場とのことで、「さすがに取材はきびしいだろうなあ」と思ったものの、ダメ元で担当の方に取材のお願いをしたところ、意外にも「いいですよ」とのお返事が。 記者は喜び勇んでわくわくしながら会場まで足を運んだ。ちなみにイベントは、BitSummit Driftに参加した人が来やすいようにとの配慮から、BitSummitと同じ京都市勧業館みやこめっせの地下1階にあるイベントホールで行われた。 さて、当日ピッチをするデベロッパーは、事前の募集により集まった国内外を含む20社(者)。小規模なグループから法人までバラエティー豊か。一方のパブリッシャーは26社。BitSummitに合わせて開催されたということもあり、インディーゲームゆかりのパブリッシャーはおおむね揃っている印象だ。 当日の段取りは……というと、 (1)まずはデベロッパーがステージでスクリーンを使い、5分程度のピッチを行う。 (2)そのあと、フリーテーブルに移り、興味を抱いてくれたパブリッシャーに、開発中のバージョンなどを見せながら説明。 という流れ。所定の時間が来るとピッチがスタート。どんなピッチになるのかしらと興味深く見ていると、皆さんそれぞれ趣向を凝らしており、5分間のピッチはストレートに自作をアピールする方から、笑いを取りに行く方まで多種多彩。なかにはいきなり歌を歌い出す方もいたりして。インディーゲームというと、作家性が反映された個性が持ち味のところも多々あるが、皆さんのピッチもそれぞれ個性的。ときに、緊張したのかあまり声が出ていなかったピッチがあったりするのもご愛嬌。 ピッチで自身のゲームをアピールしないといけないわけで、プレッシャーも相当なものだったろうと思われるが、自作のゲームを知ってもらいたいという熱意が伝わってきた。クリエイター自身が自作をプレゼンするので、よりゲームの魅力が伝わりやすいとの印象だ。 そして、ピッチを終えたクリエイターがフリーテーブルに移ると、そのタイトルのことが気になったパブリッシャーが話をしに向かう。パブリッシャーさんどうするのかな……と動向をうかがっていると、けっこう積極的に話しかけにいく方たちが多数。そのあいだもピッチは同時進行していくので、いささか慌ただしい感じながらも、活気溢れる空間となっていた。 こうしてこの場で面識ができた後は、ことによったら今後さらに打ち合わせを重ねて、より進んだ話をしていくことになる。そのきっかけとなる“GPB: Connect@BitSummit”のような場は、まずはお互いのことを知る“マッチング”という意味では、とても有意義なのではないかと思われた。 そんなわけで、せっかくの機会だからということで、会場に来ていたデベロッパーやパブリッシャーに、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由などについて聞いてみた。こちらもピッチ&ミーティングと同時進行という慌ただしい中での取材となったが、皆さんの思いをそれぞれ聞くことができた。(掲載は取材順)。 【デベロッパー】リリエンゲーム『中の人は誰』「日本のパブリッシャーを探している」 まずお話を聞いたのは、リリエンゲームのプロデューサー紀帥哥氏。BitSummit Driftでは、VTuberをテーマにした推理アドベンチャー『中の人は誰』(The Real Faces of VTuber)を出展して注目を集めたクリエイターだ。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。: Jim: よいゲームを作る能力はあると自負しているのですが、作品がよりよく露出されるように、パブリッシャーやメディアの協力を望んでいます。 ――すでにパブリッシャーから声がかかっているのではないのですか? Jim: 日本や中国、台湾、韓国のパブリッシャーからお声かけいただいているのですが、チャンスは全部掴みたいと思っています。 『中の人は誰』はわりと日本向けのタイトルで、なるべくなら日本のパブリッシャーとごいっしょ したいと思い、“GPB: Connect@BitSummit”に参加させていただきました。 日本のパブリッシャーさんからもお声かけいただいているのですが、より条件のいいところを……と考えています。それぞれサポート内容が違いますので、その中で自分たちにいちばん合ったパブリッシャーを……と考えています。 ――“GPB: Connect@BitSummit”に参加してみていかがでしたか? Jim: パブリッシャーさん数社からお声かけいただきました。これから検討していきたいと思っています。私は1作目は自社パブリッシングをして、以降の作品は、ほかの開発会社と組んでパブリッシングはそこに任せています。自分たちでパブリッシングを探すのは初めてです。ですので、このような機会を提供していただけるのはありがたいです。 主人公が検察官としてVTuber事務所で発生した殺人事件を捜査していく推理系ビジュアルノベルゲーム。中の人の身分が事件解決の鍵となる。 【デベロッパー】WOOL STUDIO『CUBEN ―キューブン―』「パブリッシャーを見つけるいい機会だと思い参加」 おつぎは、ローグライトパズルゲーム『CUBEN ―キューブン―』を開発するWOOL STUDIO。開発を手掛けるディレクターのRYO氏と、ナラティブデザイナーのOTSMU氏に聞いた。BitSummit Driftでも注目を集めていた本作だが、パブリッシャーが決まっていなかったのはかなり意外。ちなみに、おふたりはもともと家庭用ゲーム機を作っていたメーカーに勤めていたもと同僚。RYOさんはスマートフォンアプリの会社に、OTSMUさんはおもちゃメーカーで働きながら『CUBEN ―キューブン―』を作っているという。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。 RYO: パブリッシャーを見つけるためです。いろいろなパブリッシャーさんと話をしているのですが、まだ固まっていないというか、そんなに話が進んでいないんです。それでいい機会だと思い“GPB: Connect@BitSummit”に参加することにしました。 OTSMU: Game Pitch Baseに登録した段階で2社ほどご連絡をいただいたのですが、そのときは条件が折り合わなかったんですね。それで改めて……ということで参加することにしました。 ――今日プレゼンされて、何社さんかとお話されたそうですが、感触はいかがですか? RYO: そうですね。皆さん「おもしろそう」と言ってくださって、「いろいろ話をしましょう」ということになりました。これからいろいろと条件などをすり合わせて検討していきたいと思っています。 ――参加してみてよかったですか? RYO: そうですね。参加してよかったなとは思います。私たちはBitSummitにも出展者として参加しているのですが、その準備が忙しすぎて、今回ピッチのためのスライドの準備がまったくできなくて。前に作ったものを少し手直ししてプレゼンすることにしました。 もともとインディーゲーム専業になって……と考えていたのですが、最近になって状況が変わって、兼業で継続することにしたんですね。それに合わせていろいろと調整することも生じてしまいまして……。ピッチは準備不足で5分をオーバーしてしまいましたね(苦笑)。 ――ピッチではパブリッシャーに望んでいることも明確に書いてありましたね。 RYO: もともと用意していたものなんです。今回のピッチにも参加していた『SerialWorld』のSerialProjectさんはもともと知り合いで、彼らのピッチも見せてもらいながら切磋琢磨していった部分もあります。 もともと彼らとは、旧知の仲なんですよ。僕が『2048』というゲームが好きで、同作に刺激を受けてキューブ型のパズルを趣味で作っていたのですが、表に出したいなと思っていたら、前社で同期だった彼らが独立するという話を聞きまして。で、「いっしょにやらない?」と声をかけて、彼らにそれこそプレゼンしたのですが、彼らは「もっと別の形でやりたい」ということで、袂を分かったという経緯があります。いまでも仲はいいですよ(笑)。 OTSMU: お互い別ジャンルなので、ライバル意識とかもあまりないですね。情報共有とかは頻繁に取っています。戦友みたいなものですね。 画面上に表示されたパズルを操作してつぎつぎと現れる敵を倒していくローグライト要素のあるパズルゲーム。 【デベロッパー】ダンクハーツ『雑音系少年少女』「パブリッシャーに望むのはイベントに出るためのお金」 おつぎは、東京と似て異なる街である“雑音スクランブルシティ”に転移された6人の少年少女たちの脱出劇を描く“トラウマ解消系謎解きアドベンチャー”の『雑音系少年少女』。開発を手掛けるのはダンクハーツ。ソーシャルゲームの開発や運営委託などを行う同社だが、どのような理由でパブリッシャーを探しているのか……。ディレクターを務めるMYU氏、プロジェクトマネージャーの杉山輔氏、シニア スタジオ長の西泰弘にお話を聞いた。 MYU氏(中央)、杉山輔氏(左)、西泰弘(右)。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。: MYU: もともと僕が作っているゲームが、実績なども何もない状態なので、できるだけ多くの人に知ってもらいたいという思いから参加を決意しました。とにかく知ってもらいたくて。無料のイベントなどにも積極的に出展するようにしているのですが、“GPB: Connect@BitSummit”のことを聞いて、「これは絶対に出ないと!」と思いました。 ――ダンクハーツに入社して、自分でゲームを作りたいという思いから『雑音系少年少女』を開発したのですか? MYU: 基本的にはそうです。もともと別のゲーム会社にいたのですが、そこがしんどすぎて辞めて、一時期封筒屋さんで働いていたんですね。 ――封筒屋さんですか? MYU: 封筒を作る会社ですね。そこで働いていたのですが、もう1回ゲームを作りたいということで、ダンクハーツに入って、ダンクハーツが運営するソーシャルゲームのキャラクターデザインなどを担当させてもらったりしていたんです。その流れで、僕の企画を社長に見せて、「こういうのを作りたいんです!」ということで、開発しているという流れです。 西: 会社として、スタッフから上がってきた企画でいいものがあれば、予算を出して開発できるという社風があるんですね。 MYU: それでチャレンジしました。 ――自社でパブリッシングをするという判断はなかったのですか? 杉山: そこに関しては、すごく小さい会社というのもありますし、開発にかけられる予算に上限がありますので。会社から出せない以上、パブリッシャーさんからのご支援を求めて……ということで参加することにしました。一方で、今回に関してはパブリッシャーさんとの交流という意味合いもあります。当社はソーシャルゲームの運営がメインの業務なので、インディーゲームの開発経験がほとんどないんですね。初めてSteamで売り切りのゲームを作るということで、開発者の方との交流ということも含めて、こういったイベントに積極的に参加し始めているという形です。 ――本作は知名度もあるので、パブリッシャーさんからも引きがあるのではないですか? 杉山: 何社さんからかはお声かけはいただいていますが、具体的に進展というのはないですね。 MYU: 僕のほうから手当たり次第にメッセージを投げて、お返事をいただけた何社さんとはやり取りをしている感じです。 ――パブリッシャーに期待することはイベントに出展するお金ですよね? 開発費は別にいらないということですか? MYU: そうですね。本当にプロモーションの部分なんです。タイトルのことを知ってもらうという。 ――記事にもなっていましたが、そのためにティッシュ配りもしているんですよね? MYU: はい。 杉山: もともとのプロモーション費はそんなに多くなかったんです。それで、1回大きめのイベントに出展したら、予算を使い切ってしまったというのが正直なところです。言っていいのかどうかわからないのですが(笑)。それで、つぎにもう1回ウィッシュリストを獲得するために、プロモーションを打ちたいけれど、予算がないので、どうやってお金を作るか……ということを考えた結果が、パブリッシャー探しだったり、ティッシュ配りだったりします。 無料のイベントにも積極的に参加したりして、小さいところからユーザーさんを獲得するという、できる限りのことをやっている状態です。ただ、大きいプロモーションを打たないと、ウィッシュリスト獲得というのは望めないので、数100万円単位のものに対しては、パブリッシャーさんを探してお金を出資してくれる会社があればベストだというところではあります。 ――たとえば、このタイトルに深くがっつり関わりたいというパブリッシャーがいたら、それはお断りする? 西: お断りするということはないです。条件次第では、開発費のところに食い込んでいただく分には問題ありません。 ――今回参加してみての感触はいかがですか? MYU: そうですね。ビジュアルがいいと言ってくれる人がいたり、トラウマというのをモチーフにしているので、そこに共感してもらったり……。まだ世には出していないですが、自分が作ったものに対していい反応をいただけるとうれしいというか、自信につながりますね。 ――最後に、せっかくの機会なので、本作のアピールポイントを教えてください。 MYU: 本作はトラウマがモチーフになっていまして、キャラクターには個々のトラウマがあります。そのトラウマを具現化しているので、それぞれまったく違う謎解きなんですね。キャラごとに同じような謎解きというのはほとんどありません。過去のトラウマを思い出して、それをきちんと謎を解いていくというのが、今回のゲームの魅力の部分かなと思います。いろいろな遊びを散りばめている感じですね。 人々のトラウマが牢獄となった迷宮都市《雑音スクランブルシティ》を舞台に、閉じ込められた記憶喪失の少年少女が街から脱出を目指すマルチエンディング謎解きアドベンチャーゲーム。 その後……ダンクハーツはイベント後も5社とやり取りを継続して、秘密保持契約の締結、ビルドの共有を行ったとのこと。5社とはすごい! パブリッシング契約に関してはまだまだ交渉中だという。 「国内はもちろん、海外のパブリッシャー様とつながりを持つことができ、イベントを主催していただいた方に感謝しかありません」(杉山氏)とのメッセージをいただいた。 パブリッシャーが決まる日も近い? 【デベロッパー】グランディング『CHILDREN in the FLESH』「パブリッシャーと組んだほうがより広げていけるところもある」 グランディングと言えば、『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』や『みんなと街コロ』などでおなじみの開発会社。『みんなと街コロ』ではパブリッシングも手掛けており、それこそ“GPB: Connect@BitSummit”に参加しなくても……という感じだが、今回は、監視カメラの視点になって実験体の少女を導くというプロトタイプのゲーム『CHILDREN in the FLESH』で参加。パブリッシャー探しには理由があるようだ。グランディングの代表取締役CEO 二木幸生氏、ゲームデザイナー 樋口裕樹氏、アーティスト 松岡拓海氏に聞いた。 二木幸生氏(中央)、樋口裕樹氏(左)、松岡拓海氏(右)。 二木: 『CHILDREN in the FLESH』を作っているのは、当社に入ってまだ4ヵ月の新人なんです。 ――ピッチが堂々としていましたね。表現力が半端ない。 樋口: 高校のころに演劇をやっていまして、そのときの経験が活きています。 二木: なかなかうまかったでしょう。自分が言うのもなんですが。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。 樋口: 『CHILDREN in the FLESH』は、会社の新人制作で作ったゲームです。開発を初めてからまだ3ヵ月くらいの段階なのですが、このゲームを作って、最終的に完成させて、自社のIPとして世に出したいという強い気持ちがありまして、参加をさせていただきました。 ――グランディングでパブリッシングするという判断はなかったのですか? 二木: 当社だけで完結するよりも、パブリッシャーと組んだほうがより広げていけるところもあると判断したんです。じつは 『みんなと街コロ』もパブリッシャーを探そうという話をしていたんです。結果として自分たちで出したのですが、パブリッシング業務というのはなかなか負担が大きいんです。 『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』も、自社パブリッシングタイトルだったのですが、同作はもともとIPがセガのものだったので、そこまで苦労はありませんでした。『街コロ』最初はアナログのボードゲームでリリースしていたのですが、デジタル版の認知度を高めたり、ユーザーの対応をしたり、ローカライズに関するもろもろの対応があったり、デバッグテストがあったりと、パブリッシング周りの部分での負担が大きいんです。 当社はデベロッパーであって、別にパブリッシングをしたくて会社をやっているわけではないので、できるだけ負担を減らしたい。グランディングでは、これから1年に1本くらいは自社IPを出そうとしているのですが、それを全部自社でパブリッシングするとなると、「5年間で5本の自社IPをカバーするのか?」ということで、とてつもなくたいへんなことになってしまう。そこでパブリッシャーとして、いっしょに協力してくれる会社をパートナーとして見つけたほうがいいと判断しました。 ――実際に参加してみて手応えはどうですか? 樋口: BitSummitの会場でも出展しているのですが、実際に遊んでいただいていい反応もいただいたり、逆に反応がよくなかったりみたいなことももちろんあったりして、いろいろ考えさせられます。他社さんのゲームに触れて、「自分たちは3ヵ月でよくやったな」という気持ちが半分と、まだまだ詰めていけることがたくさんあって、より誰かに愛されるようなゲームに今後どんどんできていくのだろうな」という気持ちもありました。いずれにせよ、実際に遊んでくださる方を見ていると、モチベーションになりますね。 ――入社して4ヵ月で作ったタイトルをBitSummitに出展するというのはすごいですね。 二木: BitSummitのひと月くらい前に、出すかどうかジャッジするタイミングがありまして、「これならあとひと月かければ世に出すクオリティーになるだろう」というところと、「できればこの作品を世の中に出したい」という思いが自分の中にあったので、出展を決意しました。できるところまで挑戦してもらおうという感じです。 ――もしかして、このタイトルにとってこの場所ってけっこう重要かもしれないのですか? 二木: そうですね。ここでなにもなかったらそれで終わりだったかもしれないです。実際何社かの方とお話ができたので、先に進むことができれば、リリースに向けて準備していきたいと思っています。 ――そんな綱渡りな状態を入社4ヵ月の若人たちに強いるのもなかなかスパルタですね。 二木: このふたりは当社の新人のエースなので、僕はできると信じています。 ――本作の完成はいつごろを予定しているのですか? 樋口: もし出資元の方がマッチングできたら、1年くらい開発を続けて来年(2025年)くらいにはリリースしたいという心づもりでいます。 ――最後に、せっかくの機会なので、本作のアピールポイントを教えてください。 樋口: いちばんは僕が特殊な体験だと思って作っているところは、NPCとの距離感なんです。自分が操作するキャラクターでもなくて、かといって完全にNPCでもない。自分が指示を出して、自分が命を守るという、“救う”という責任を持っているんです。ですが、自分の指示に従わないこともあります。明確な自我を持っているキャラクターという、その距離感とそこで生じる愛着であるとか、その子を死なせてしまったときの罪悪感があったり、そういう意識です。プレイしていて、ときに嫌な気持ちになるかとも思うのですが、その体験が特殊性につながっている。そんなゲームです。 施設を管理するAIとして、実験体の少女を誘導するというアドベンチャーゲーム。BitSummitにはプロトタイプが出展された。 【パブリッシャー】マーベラス「新しくてアイデアのある作品を見つけにきた」 ここからはパブリッシャー側の意見を聞いていく。まずはマーベラスの斎藤昌之氏。マーベラスは、インディゲームインキュベーションプログラム“iGi”なども手掛けており、インディーゲームに熱心なゲームメーカーの一社だ。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。: 斎藤: いちばんの理由は、新しくてアイデアのある作品を見つけにきたということです。マーベラスはインディーゲームのパブリッシングにすごく力を入れ始めていまして、先日『ボウと月夜の碧い花』をリリースしたばかりです。同作は、海外のインディータイトルを日本やアジアに向けてマーベラスがパブリッシングするパターンですが、マーベラスとしては、海外のゲームを日本に持ってくるのも、日本のゲームを海外に出していくのも、両方ともどんどんお手伝いしたいと思っていて、そういうよいタイトルを探しに今回は参加しました。 ――実際に参加してみての手応えはどうですか? 斎藤: いやあ、いいゲームばかりでした! もちろん、“Game Pitch Base”は使わせていただいていて、気になるタイトルはすでにお声かけさせていただいているのですが、それでもまだ私が知らなかったタイトルをたくさん見つけられました。『ニャイト ミュージアム』などは以前から存じ上げていたのですが、今日お話して、「こういうアップデートを考えている」とか、「未来はこうなる」という話をうかがうことができたので、有意義でした。それはビルドをプレイするだけではわからないことなので、直接開発の人と話せるというのはすごく貴重な機会だと思います。 ――今回初めての取り組みですが、今後もあったほうがいいと? 斎藤: あったほうがいいと思います! マーベラスもiGiでは半年間のプログラムの後に、ピッチイベントを開催しているのですが、インディーゲームの開発者とパブリッシャーを繋ぐ場というのは、多いに越したことはないと思うので、我々としてもありがたいです。 知らなかったタイトルと出会う貴重な場でもありますし、いままで付き合いのあった開発者の方に改めて、いまの進捗や未来の話をお伺いできる場でもあるので、すごく貴重な場所だなと思いました。 ただ、注目していて、「絶対にごいっしょしたい」というタイトルのデベロッパーさんが、眼の前でほかのパブリッシャーさんとお打ち合わせをしているのを見ると、ちょっと胸がキュンとしてしまって、「あ、口説かないで!」となります(笑)。 ――(笑)。好きな女の子が、ほかの男の子に口説かれているのを見て、得も言われぬ気持ちになる感じでしょうか。 斎藤: 前から目をつけていたのに……という気持ちです(笑)。 実際のところ、今回の“GPB: Connect@BitSummit”でも、恋い焦がれているタイトルがあります。何度も愛は伝えているんです(笑)。このイベントに出るというのは前から決まっていて、広くいろいろなパブリッシャーさんの声を聞いてご判断くださいという話はしているのですが……。 ――今回の“GPB: Connect@BitSummit”が、マーベラスに決めるひとつのきっかけになるかもしれない? 斎藤: なるといいですね。 【パブリッシャー】PLAYISM「新鮮にピッチを見ることができた」 PLAYISMは、今回のピッチイベントで積極的に各デベロッパーにアプローチしていたパブリッシャーの一社。BtoC 事業部 PLAYISMディビジョン マネージャー大原靖之氏に話をうかがった。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加した理由を教えてください。: 大原: “ゲームクリエイターズCAMP”の支援にもなりますし、“GPB: Connect@BitSummit”に協力したいなと思い参加しました。 とはいえ、私たちにもふだんからたくさんの売り込みがあって、かつ私たちも興味のある開発者さんにご連絡をしたりして、毎週毎週チェックしないといけないタイトルがたくさんあるので、こうやって落ち着いてピッチの場でお話をうかがうのは、とても新鮮ではありますね。いつもは、デモとドキュメントを拝見させていただいて、メールベースでやり取りをして……というのがほとんどなんです。 ――ああ、そうなのですね。もしかして、今回ピッチに出ているタイトルで把握していなかったタイトルはない感じですか? 大原: はい。全部把握したうえで来ています。おもしろそうだなということでお声かけする候補になっているタイトルもあるし、まったく詳細を知らなかったタイトルもあります。そういう意味では、新鮮にピッチを見ることができました。 ――お話してみての手応えはいかがですか? 大原: どうでしょうね……。ただ、開発者さんからお声をかけてくださったのはうれしかったです。 ――あら! 大原: 名前を知ってくれているというか、「PLAYISMから出してほしい」と言われたりすると心が揺らぎます。 ――PLAYISMで出すというジャッジが下せない? 大原: というか、PLAYISMで取り扱わないジャンルとかテイストがあるんですね。今回ピッチされている開発者さんの作品でも、半分くらいはPLAYISMでは取り扱わないタイトルではありますね。おもしろいかもしれないけれど、売りかたがよくわからないというタイトルもあります。逆に、ほかのパブリッシャーさんが好きなものもあると思うので。それぞれカラーがあって、多様性があるのがインディーゲームの魅力ですよね。 ――“GPB: Connect@BitSummit”は定期的に実施する意向のようですが、いかがですか? 大原: いいと思います。あるべきだと思います。ただ今日はちょっと慌ただしかったし、ピッチのすぐ近くにフリーテーブルがあったので、少し話しがしづらかったかもしれません。つぎはまた、活かせるのではないかなと思います。 【パブリッシャー】集英社ゲームズ「“GPB: Connect@BitSummit”は大きな挑戦だった」 “GPB: Connect@BitSummit”の主催企業である集英社ゲームズは、パブリッシャーテーブルを設置し、参加デベロッパーが自由にアピールできるようになっていた。とはいえ、会場では担当の3名が積極的にデベロッパーに話しかけている姿が目立った。集英社ゲームズでアシスタントプロデューサーを務める福田匠氏、中野颯也氏、レイクレイ氏の3名に聞いた。 左から福田匠氏、中野颯也氏、レイクレイ氏。 ――今回、“GPB: Connect@BitSummit”に参加してみていかがでしたか?: 福田: 純粋にレベルが高いと感じました。このままパブリッシングできそうなほど完成度が高いタイトルもあれば、まだ荒削りではあるものの研ぎ澄ますことで世界でも売れそうなタイトルもありと、バラエティー豊富でした。実際のところ、今回の“GPB: Connect@BitSummit”は、私たちにとっては大きな挑戦でした。 ――挑戦ですか? 福田: はい。“GPB: Connect@BitSummit”に関しては、我々としてはふたつの側面があると思っています。イベントを運営する側と、パブリッシャー側ですね。運営を成功させなければならないという立場と、いいタイトルとのマッチングをしなければいけないという立場と。このふたつの挑戦があったのですが、どちらも成功だったと感じています。 中野: 主催は集英社なので、厳密に言うとチームは別なのですが、関係値としては近しいものがあるので、パブリッシャー視点・運営視点でどれくらいよいタイトルが揃うのか、よい運営ができるのか、やきもきしていた部分はあります。その意味で、今日は素晴らしいタイトルが多く揃ったのはよかった、ということですね。 ――“GPB: Connect@BitSummit”には、集英社ゲームズもいちパブリッシャーとして参加するとのことでしたね。 中野: はい。そちらについてお話しさせていただくと、当然ながら僕たちも気になるタイトルがありました。そういうタイトルが見つかったのはありがたいことでして、今回20タイトルという多くのタイトルが参加していただけたことがファクターとして大きく、非常に素晴らしいことだと思っています。 世界でも戦っていけるようなポテンシャルのタイトルもあったと思いますし、我々集英社ゲームズだけではなく、今回参加されたほかのパブリッシャー様にとってもいい出会いがあったのではないかと期待しています。 レイクレイ: 日本国内だけではなくて、ほかの国・地域からもデベロッパーさんやパブリッシャーさんが集まってきているのは、ものすごくいいなと思いました。 ゲームに関しては、個人的にはかなり完成度が高くて、いいゲームが多かったという印象です。ただ、個人的な所感としては、ビジネスとして、最終的にどのようなターゲットに、どう売っていきたいのか、というマーケティング戦略が少し見えていないという印象がありました。もちろんそこはパブリッシャー側にも求められることではあるのですが、逆に言うと、そんなことを感じさせるくらいハイレベルなタイトルが揃っていました。詳しい言及は避けますが、僕は4~5タイトルいいなというのがありました。ごいっしょできるかどうかは、いろいろあると思うのですが。 ――皆さん自分がプロデュースしたいと思ったタイトルは、個別に積極的にアプローチしていくのですね? 福田: はい。我々はプロデューサーとして、自分がいいなと思ったタイトルは個別に「これからいっしょにやらせていただけませんか?」という形でお話させていただいています。 中野: その軸に加えて、開発チームや会社としてポテンシャルがあるかもしれないなど、可能性を感じるところに関しては、少しお話をさせていただいています。 福田: 最終的にはみんなで話して、「会社としてやっていこう」というタイトルを判断してもらったうえで進めていくことなります。今回のイベントは、我々若手のメンバーがいっしょにやっていけるデベロッパーを探すというのもひとつのテーマになっていたところもありまして。 ――そんな裏テーマもあったのですね。集英社ゲームズにとっては、プロデューサー育成のためでもあったのですね。ところで、“GPB: Connect@BitSummit”は定期的に継続していきたい意向のようですが、その意義はあると思いますか? 中野: やる意義は間違いなくあると思います。ただ、今回初回だったこともあり、いたらなかったところもけっこうあるかなと思います。たとえば最初のほうにピッチされた方に比べてあとのほうにピッチされた方があまりお話できなかったりとか。あとは、もう少しパブリッシャーの方とデベロッパーの方がお話できるような機会を運営が用意するとか……。そういったことをアップデートしていくのは必要かなと思います。 そのあたりの準備をしつつ、来年はさらにスケールが大きくなった形で展開できるとうれしいかなというのは、パブリッシャーの立場として僕は思っています。 レイクレイ: 来てみてとてもいいなと思ったのは、資料だけだとどうしても少しおもしろみに欠けるのですが、クリエイター本人がプレゼンすると、熱意が伝わるし、しゃべりかたひとつとっても個性があって楽しいです。チームメンバーどうしの関係性もピッチを通してほのかに見えてきたりするので、そういうのはピッチイベントの価値ですね。 ――いきなり歌を歌い出す方もいましたね(笑)。 レイクレイ: 僕あの方と30分くらいしゃべっていましたよ。 ――意気投合したのですね(笑)。 レイクレイ: もちろん、課題はたくさんあると思うのですが、ほぼすべての部分にこだわりがあって熱意が溢れている方です。集英社ゲームズは作家性のある方を探したいというのがあるのですが、まず僕らが感動しないといけないというのはありますね。 ――個性的な方は大歓迎ということですね? プレゼンにも個性を出さないといけないと。 レイクレイ: そうですね。 福田: こういうイベントというのは、最終的に出口を成功させてこそですよね。それがみんな喜ぶ形だと思うので、それは我々プロデュース側、パブリッシャー側のがんばりどころでもありますね。それは我々のがんばりどころでもあるし、皆さんといっしょに作っていけるのかなと思っています。 ――ここで見つけたタイトルで結果を出さないといけないということですね? 福田: それを目指してがんばりたいです! 【主催者】ゲームクリエイターズCAMP「マッチングイベントの需要は必ずやある」 最後に、“GPB: Connect@BitSummit”を主催するゲームクリエイターズCAMPの堀切舜哉氏に話を聞いた。当日は司会も担当するなど、まさにイベントを取り仕切った堀切氏だが、イベントを終えての手応えは? ――主催者サイドとしての“GPB: Connect@BitSummit”開催の狙いを教えてください。: 堀切: これまで“Game Pitch Base”という形で、Web上でパブリッシャーさんがお声かけいただいて商談ができるという取り組みはしていたのですが、パブリッシャーさんからすると、リアルな場で面と向かっていろいろと話して、初めて契約の話ができるというお話も何度か聞いておりまして、こういうイベントの需要があるのかなとは思っていました。 とはいえ、“Game Pitch Base”には海外のパブリッシャーさんもたくさんいらっしゃるので、このイベントのためだけに来てもらうのもけっこうハードルが高いとの思いもありました。だったら、世界中からゲーム関係者が集まるBitSummitに合わせてやればできるのでは、ということで気合を入れてやった感じです。 ――タイミングが合ったということですね。 堀切: 集まってもらうというよりも、もともと集まっている場所でやるという発想です(笑)。 ――やると決めてからの反応ってどうだったのですか? 堀切: 「ぜひ参加したいです」というご意見が多かったです。とくに海外のパブリッシャーさんはそうですね。「この機会に来るので、非常に助かります」というご意見はいただきました。 ――けっこう海外からの参加者も多かったのですね。 堀切: そうですね。3分の1くらいは海外のパブリッシャーさんでした。 ――日本のパブリッシャーさんからはどのような声が聞かれましたか? 堀切: 「ありがたい」というお言葉もいただきましたし、そもそも日本でピッチイベントというのがほとんどなかったので、「とりあえずどういうものが見てみたい」というご意見もけっこう多かったです。 ――ピッチイベントを実施するにあたって、とくに心掛けたのはどのような点ですか? 堀切: 話すきっかけ作りというのは意識しました。ただ同じ会場にいて、「話しかけてください」といっても声をかけづらいので、最初にステージでピッチをしてもらって、開発者やゲームのことを知ってもらった上で、テーブルに移ってもらってお声かけいただくといった流れですね。ゲームを知って、きっかけを作って、お声かけしていただくという、声をかけるきっかけ作りは、けっこう意識して徹底した点です。 イベントによっては、ステージだけでピッチするイベントもあるようなのですが、ステージですべてを長々と話すのは聞く側にもきびしいでしょうし、個別に話したいという声が多かったので、ステージでピッチをして詳細をテーブルで、という流れにしました。 もうひとつは「多くの方にチャンスを」ということです。本イベントは20のデベロッパーさんがピッチを行いましたが、これはピッチイベントとしてはかなり多いと思います。我々としては「選ぶのはパブリッシャーさんであって、運営ではない」と考えておりますので、なるべく運営側の審査で作品を絞りたくないと思っていました。もちろん時間や会場の都合もあり、応募いただいた全員に参加いただくことはできなかったのですが、それでも最大限の枠はご用意できたのかなと思います。 当日は集英社ゲームズの森通治氏も今回のリアルイベントに対する意気込みを語った。 ――逆にやってみて見つかった課題とかありますか? やってみたからこその気付きもあると思うのですが。: 堀切: そうですね。20のデベロッパーさんがぶっ続けでピッチをしたので、聞く側からは少し休憩がほしいという意見はありましたね。ずっと座って聞いているのもけっこうしんどいので。あと、商談用のテーブルしかなかったので、休憩用の椅子があってもよかったかなと思いました。長かったので。 ――濃密な2時間半だったとは言えるかもしれませんし、今回のイベントで人生が変わる人もいたかもしれないという意味でいうと、有意義だったとは言えそうですね。 堀切: そうですね。まあ長期戦の対策があったらよかったかなとは思います。 ――実際に実施してみての手応えはいかがですか? 堀切: 僕は司会をしていたので、あまり会場の様子をうかがう余裕がなかったのですが、見た感じではフリーテーブルで商談している姿がちらほらいたので、一旦役目としては80点くらいは果たせたのかなと思っています。 ――毎年やっていきたいというお話をうかがいましたが、今後も継続していく意向ですか? 堀切: はい。同じ形になるかはわからないのですが、イベントの形式だったりタイミングだったりをアップデートしつつ、同種のイベントはやっていきたいと思っています。 ――たとえばですが、BitSummitだけと言わず、東京ゲームショウに合わせて……みたいなことは考えていないのですか? 堀切: そうですね。今年はさすがに間に合わないのですが、まずはBitSummitでやってみて、その結果次第で、もう少し頻度を高く実施するかどうかは検討したいという話は事前にしていました。もしかして来年は東京ゲームショウに合わせてやるかも……という話は上がるかもしれません。東京ゲームショウだと、いらっしゃるデベロッパーさんやパブリッシャーさんもまた異なると思うので、それはそれで有意義ですよね。 相性の合うマッチングを促す意味で意義深い。多様化するゲーム作りにマッチした取り組み デベロッパーがプレゼンをして、パブリッシャーがそれを受けるという極めて刺激的だったピッチイベント。皆さんのお話をうかがう限りでは、“GPB: Connect@BitSummit”の意義は大きかったようだ。 取材してみてちょっぴり意外だったのが、デベロッパーがパブリッシャーに望むことはそれぞれ異なること。パブリッシャーというと、“発売元”との印象が強く、その役割は決まっているのではないかと素人考えで思っていたのだが、実際のところはデベロッパーによってタイトルのPRを希望するものからイベント出展のための費用負担を望むものまで幅広い。そういった意味でもこうしたピッチイベントは、より相性の合うマッチングを促すという点で意義深いと思われる。多様化するゲーム作りにマッチした取り組みと言えそうだ。 ゲームクリエイターズCAMPでは、“GPB: Connect@BitSummit”を継続的に実施したいとのことで、今後どのような感じで行われていくのか楽しみにしたい。そして、ピッチイベントでどのようなゲームが生まれてくるのか、気になるところだ。