失意のワリエワが自身のSNSで現役続行&エテリコーチ“擁護”を表明も簡単にはいかない再起ロード
「ワリエワが冬季五輪後にコーチやファンのサポートに感謝」との見出しを取って、このワリエワのインスタ投稿の中身を詳しく報じた米CNNも、記事の中で、エテリコーチらの責任が問われることを指摘している。 「WADAは、禁止されている心臓病薬のトリメタジジンの陽性反応が出たことを受けて、ワリエワの側近(彼女のスケートや保護に責任を持つ大人たち)を調査すると発表した。その中には世界最高のフィギュアスケーターを育てていることで知られるトゥトベリーゼコーチも含まれている。同コーチは今月初めにロシアのテレビ番組で、自分の選手が陽性反応を示した後、『カミラが無実でクリーンであることは絶対に確かだ』と語っていた。CASの許可を得て、冬季五輪五輪の女子シングルに出場したワリエワは、ドーピング事件が解決しないまま金曜日にモスクワに戻ってきた」 実際、エテリコーチの関与があったのか。組織的な関与の可能性も含めて、今回の問題の全容がどこまで解明されるかわからないが、ワリエワの“擁護メッセージ”が投稿される前日にエテリコーチは、自らのインスタグラムを更新。長文を投稿して、これらの疑念の声への反論を試みている。 「ワリエワは団体戦の五輪王者であり、我々のスターだ。非常にもろく、同時に非常に強いアスリートだ。カミラに降りかかった試練はチーム全員が一緒に乗り越えなければならない」 そしてIOCのトップであるバッハ会長から名指しで指導姿勢を批判された問題に関しては「尊敬するバッハ氏の我々の仕事に対する評価には、まだ戸惑っている」と、困惑の心境も明かしていた。 現役続行宣言を行ったワリエワの今後の国際大会への出場資格についても保留されたまま。3月21日からフランス・モンペリエで行われる世界選手権への出場可否を国際スケート連盟(ISU)がどう判断するのか。また3月4日からは、ISUの公認大会ではないロシアの国内大会「ロシアチーム対抗戦」がソチであり、オリンピアンは全員出場と告知されている。この大会の出場可否はロシアサイドが判断することになるが、ドーピング違反問題の結論が出ていない段階だけに、ワリエワ陣営も含め、その動向が注目される。いずれにしろワリエワの再起ロードは“イバラの道”となりそうだ。 (文責・論スポ/スポーツタイムズ通信社)