海外メディアはW杯4強ならずも日本の健闘を絶賛「その戦いをノートに残すべき」「やってのけたことは称賛される」
ラグビーW杯日本大会の準々決勝、日本対南アフリカ戦が20日、調布市の東京スタジアムで行われ、3-26で日本は敗れ、ベスト4進出はならなかった。日本はノートライに終わり世界を沸かせた快進撃も終わりを告げたが、海外メディアは、日本の今大会での健闘を称えた。 英国のガーディアン紙は、「南アフリカが日本の夢のすべてを打ち砕き、試合終了の笛とともに、日本サポーターの多くが涙を流した。だが、地元(の日本)は、5週間前には達成するとは考えられなかった(ベスト8進出という)勝利をすでにつかんでいた」と、南アフリカの勝利と共に日本が史上初の決勝トーナメント進出を果たしたことを称えた。 「ノックアウトステージ(決勝トーナメント)に初進出した日本の偉業なくしては今大会の爆発的なラグビー人気は広がることはなかったのだ」と日本の健闘を評価した。 ただ南アフリカ戦の試合内容については、「(日本の前半の)プレーの手際の良さとボールを保持し続ける能力に押されていた南アフリカは、その中で、何で打ち勝てばいいかの周到な準備を進めていた。(後半に)日本は対応力に欠き、その代償を負った。南アフリカは、後半からスクラムとモールで日本を圧倒し、勢いとパワーを見せつけた。だが、日本の野望を最も脅かしたのは、日本の選手の体格よりもさらに小さな(SHの)デクラークだった」とプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた172センチ、88キロのデクラークのボールコントロールとキックを讃えた。 また同紙は、別記事で「日本の『最後まで弱音を吐かない』という精神がラグビーW杯後に育まれるだろう」との見出しを取り8強に進出した日本の戦いをクローズアップした。 「また会う日までさようなら、そして、ありがとう、日本! やがて(敗戦の)痛みは消え、涙も乾き、このチームが、この数週間で成し遂げた4連勝という誇るべき出来事が思い出されることで、最後の敗戦の痛みは失われていくだろう。このトーナメントで残った4チームのどこが優勝しようと日本のW杯だったことが人々の記憶に残るだろう。大会をホストするという仕事をやり遂げただけではなく、メンバーの大部分がアマチュアリーグのチーム所属だったにもかかわらず、勇敢で機知に富み、創造性にあふれたプレーで、このスポーツに光を灯して見せた」と、日本の戦いぶりを絶賛した。 記事はまた「日本は今大会で2番目に好きなチームとなった」と評価しつつも、「ただ疑問はある。我々は、いつ彼らをもう一度見ることができるのかということだ。日本のラグビー関係者たちは、同様の質問に対し答えを見出さなければならないだろう。日本の完全なプロチームのサンウルブズは、2020年を最後にスーパーラグビーから除外されることになり、日本のチームの強さが維持され続けるかどうかの保証はない」と指摘。 「日本チームが、まだ若い時、選手たちはこのような夜を夢にさえ思うことはなかった。日本チームは、28年前のワールドカップで臨んだ1991年のジンバブエ戦で(初めて)1勝をつかんだ。だが、今は何が可能か新たな考えを持つ若い選手たちが確実にいる。彼らはただそれを証明するチャンスをつかむ必要がある。日本はその戦いを止めることはできない。ラグビーも彼らを止めさせることはできない」と記した。