長引く咳で眠れない… しつこい咳の原因はコロナ? マイコ?
オリンピックとともに到来!?「マイコプラズマ肺炎」
「マイコプラズマは感染力はそれほど強くありませんが、感染してから発症するまでの潜伏期間は2~3週間くらいと長いため、感染に気づかないまま外出する人も多く『歩く肺炎』とも呼ばれます。発症の約8日前~発症後6週間以上にわたり人にうつる可能性があります。 『マイコプラズマ=肺炎』ではなく、多くの人はマイコプラズマに感染しても軽い気管支炎ですむんですよ。軽症の場合は自然に回復するのを待ちますが、抗菌薬による治療を行うこともあります。ただし、抗生物質の使いすぎもあり、これまでの治療薬が効かない耐性菌も増えていて、回復までに時間がかかるケースが少なくありません。子どもより大人のほうが重症化する傾向があり、中には呼吸不全を伴うような状況を引き起こしたりすることもあります」 マイコプラズマと新型コロナは咳の特徴で区別がつくのだろうか? 「咳だけで区別するのは難しいですね。咳には大きく分けて痰(たん)の絡んだ湿った咳と、痰の絡まない乾いた咳の2種類があります。 痰は口や鼻と肺をつなぐ気道から出る分泌物で、気道にウイルスや細菌など異物が入り込むと、それらと絡まり痰となって吐き出されます。 マイコプラズマ肺炎は、気管支や肺胞の外にある間質で炎症を起こすため、痰が絡まない乾いた咳になります。 新型コロナの場合は、痰が絡んだ湿った咳も出ますが、間質性の炎症が主なので、痰の絡まない乾いた咳になることが多いです」
《咳の種類は2タイプ》 ●乾いた咳 痰が出ない・少ない咳は「コンコン」「ケンケン」「コホコホ」といった乾いた音がする。気管支や肺胞の外側にある間質で炎症や過敏反応が起こっている状態で、うまく異物を排出できず乾いた咳が出る。風邪やインフルエンザ、マイコプラズマなどの感染症は、最初に乾いた咳が出て、炎症が進むと痰が混じった湿った咳に変わることもある。 ●湿った咳 痰を伴う咳は「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」「ゼロゼロ」という湿ったような濁った音がする。気道や喉に炎症が起こると気道からの分泌液が増え、その一部が食道から気管支の中に入って呼吸を妨げるため、咳によって口内に出される。つまりウイルスや細菌と戦った白血球の残骸や大気中のちりなどを、痰として吐き出しているのが湿ったせきだ。