「コワ懐かしい」昭和のお化け屋敷が人気 岩手・盛岡市
岩手県盛岡市に期間限定で開設されている昭和風のお化け屋敷の一部
「一枚、二枚…」とお皿を数える「お菊さん」、首が伸びる「ろくろ首」など、昭和のお化け屋敷の定番だったお化けに出会えるお化け屋敷が、岩手県盛岡市に夏季限定で登場し、夏休みの観光スポットとして人気を集めている。企画したもりおか町家物語館は「『コワ懐かしさ』を楽しんでほしい」としている。 同館に夏季限定で開設された「ぼくらの時代 お化け屋敷」には、オープンした7月18日から8月12日までに、約2600人が来場。30日までの期間中で、4000人の来場を見込んでいる。夏休みやお盆に入り、帰省した人や観光客の来場で客足がぐんと伸びているという。
お化け屋敷に使われているのは、江戸時代末期から昭和初期の間に建てられた歴史的建造物が立ち並ぶ「もりおか町家物語館」の酒蔵。おどろおどろしい絵の描かれた大きな看板を横目に入り口を抜けて中を歩いて行くと、「ろくろ首」や「お菊さん」、「からかさ小僧」など、昭和世代にとってはどこかで見たことのあるお化けたちが登場する。「特殊メイクのゾンビが追いかけてくる」などの現代的な演出や仕掛けはなく、人形でできた手作り感のあるお化けたちがからくりを使って来場者を驚かす。原色の照明を多用した演出や、「人体模型」が転がっている学校の理科室のような空間もあり、どこか味のある懐かしさを感じてしまうお化け屋敷だ。
昭和風のお化け屋敷をプロデュースしたのは、同館名誉館長で直木賞作家の高橋克彦さん。高橋さんは10年ほど前、盛岡市で昭和30年代の街並みを再現した展示を開催したことがあり、市民らに好評を博したことから「次は昭和のお化け屋敷をやろう」との話が持ち上がっていたという。 盛岡市ではかつて、毎年9月になると、盛岡八幡宮のお祭りに屋台のお化け屋敷が出店されていたという。同館館長補佐の打田内裕子さんは「50~60代の方には、子供のころ八幡様で見たお化け屋敷だ、と懐かしく思ってもらえるはず」と話す。しかし最近では街に屋台のお化け屋敷が来ることはなくなり、現代では「お化け屋敷に入ったことがないという子供たちばかりになった」