ウクライナ戦争ドローン最前線を「新しい中世」という視点から解き明かしてみる【後編】
最前線を離れると、ビールで酔い潰れ時に喧嘩に明け暮れる兵士たちの中に、電子タバコを吸いながらエナジードリンクを飲み、日々、新しい自分の技を編み出し、研鑽し続ける『新しい中世』の騎士たちがいる。 「火縄銃が出て来た時も、その使い手である根来衆は当時の戦士としては異色な存在として宣教師の手紙で描かれています。戦闘機が出て来た時、そのパイロットも独特の存在で浮いた存在でした。戦車による電撃戦を構想した軍人たちも同様でした。新しい専門家は、これまでとは異色な存在になりがちです。 チャーチルは第一次大戦に対し、『戦場から騎士道精神が失われ、戦場は単なる大量殺戮の場へと化した』との評価を下したことが象徴するように、戦争の様相が変化すると過去の"ロマン"が失われたという評価がなされがちです。しかし、それは"新たなロマン及び常識"の誕生でしかないのです」(部谷氏) すると、いま、ウクライナの戦場の最前線で起きている事は何と呼べばいいのだろうか。 「第四次産業革命にともなう戦場における技術と使い方の質的パラダイムシフト、ですね。完全にルールが変わったという感じです」(部谷氏) ●部谷直亮 ●量産型カスタム師 取材・文/小峯隆生 写真/cMadeleine Kelly/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ 「ZUMA Press」、HIGHCATホームページ