親を看取るということ――梅宮アンナ「“家族の闘病”がいつまで続くのか教えてほしいと神に祈った」
支える家族の苦しさ「いつまで続くのか教えてほしい」
――しかし見守り支える家族も相当苦しい。 梅宮アンナ: 父は昔まだ元気な頃は、私が会いに行くとすごくうれしそうでした。そんな父が透析治療中は態度が真逆で、「何しに来たんだ」と不機嫌そうに言うんです。本当に頭に来ているというか、元気な人を見ると苛立ってしまうというか……。本来の父と全く違っていました。そんな父を見るのが、すごく悲しかった。暗くなっちゃうからこれ以上はもういいですけど、壮絶でしたね。母はずっと泣いていましたし、私も、何か気に障ることをしちゃったのかなと思い詰めたし、これは一体、何年、何十年続くんだろうと滅入ってしまって。過酷な現実がいつまで続くのかな、教えてほしいと神様に祈りました。先が見えないことほど疲れることはなかったし、休めるわけもなく、家族だから向き合わなきゃいけない。 それでもまだうちは父の付き人さんが支えてくれたから、本当に助かりました、もしもヘルパーさんが頼めるならそうしたほうがいいと思います。何もかも家族がやっていたら大変で、みんな追い込まれちゃう。切実な問題だと思います。親の介護を巡る悲しいニュースを見ると、両方の気持ちがわかるから、ひどいとも思うし、かわいそうとも思います。 ――感情が制御できなくなった家族にどう折り合いをつけましたか。 梅宮アンナ: 私の場合は、言い返しちゃったんですね。最初の頃は、病気だし親だしって悶々として、友人に愚痴を聞いてもらったりしていましたけど、私が全部受け入れて、それが大丈夫だと思われるのも正直困る。「病気だからって、やめてくれる?」と母の分まで私が言っていました。一方で、本当にこういう対応をしていいんだろうかと、自己嫌悪に陥ることもありました。 でも、お互いのためにも不満を溜めているよりはいいかな、と途中から考えを変えました。まだ頭はしっかりしていたので、父にも考えてほしかったから、「私たちも生身の人間だし、モノじゃない。家族だからって八つ当たりしないで」って言ったら黙っちゃった。でも、そうやっていくしかないんだと心に決めていました。