ビットコインで生まれる日本の新たな金融・ビジネス・資産運用~サトシ・ナカモトのコンセプトはすでに世界と日本を変えた~【N.Avenue club 2期4回ラウンドテーブル・レポート】
取引所から見たビットコイン市場の歴史と展望
続くメインセッションで最初に登壇したのは、デジタルガレージグループでweb3事業を担当し、Crypto GarageのCBOを務める木室俊一氏。木室氏は「ビットコインのエコシステムと現在の概況について」と題し、デジタルガレージグループのビットコイン分野での投資状況などについて説明した。 スタートアップへの投資のほかに、2016年に設立した研究開発組織DG Labでブロックチェーン技術の研究開発を行っていること、ビットコイン・コアの開発者を採用してオープンソースへの貢献を続けていることを紹介。またグループでは米国に拠点を構え、2015年から SF Bitcoin Devsというイベントを続けていることなどについても触れた。 さらに、ビットコイン関連の情報をキャッチアップするために役立つ方法として、Bitcoin Optechを紹介。日本語版はchaintope(チェーントープ)の安土茂亨氏(取締役CTO)が翻訳に参加、ビットコインに関わる事業・サービスを提供する企業向けの技術動向がまとまっており、有用だと思うと話していた。 メインセッション2人目の登壇者は、SBI VCトレード株式会社代表取締役社長の近藤智彦氏。近藤氏は「ビットコインで生まれる日本の新たな金融・ビジネス・資産運用」と題し、取引所からの視点でビットコインの歴史を振り返り、今後の展望について話した。 近藤氏はビットコイン現物市場の動向をデータとともに振り返り、「国内のビットコイン現物の保有金額は、BTC価格と強い相関がある」として、このトレンドが今後も続くかどうか注視したいなどと述べた。 また、現物売買高は価格と相関傾向にあるが、保有金額に対しては減少傾向にあると指摘。さらにSBI VCトレードの顧客動向として、BTC売買高比率が、ずっとおおむね30~40%であるとした上で、「特殊な事情がない限り、暗号資産の象徴的存在であるビットコインがトップで、この傾向が揺らぐことはないだろう」などと話した。