アウト確定していても怠らない全力疾走 超強力打線だけではないソフトバンクの強さの理由
【名物記者コラム #好球筆打】 ◆パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ 第2戦 ソフトバンク7―2日本ハム(17日、みずほペイペイドーム) 4番山川は初回の同点打に続き、5、7回と1試合2発でチームを勝利に導いた。5番近藤は初回の2ランが決勝弾だ。振り返ると初戦の勝利投手は有原で、2戦ともに勝ち試合を締めたのはオスナだった。やはり大型補強の効果は絶大だ。 ■これぞ小久保チルドレン…そろって駆け出す【写真】 ただ、脇を固める選手たちの献身ぶりも見逃せない。中でも「これぞホークス野球」を感じさせたのが3回の今宮だった。2死から中前打で出塁すると、続く正木は遊飛に倒れたが今宮は全力で二塁を回り、遊撃手の水野が捕球した時には三塁ベース手前まで達していた。この凡事徹底こそがホークス野球の強みだ。 今宮だけではない。6回にはボテボテの三ゴロを放った正木がベースから二歩ほど手前でアウトが確定していながら、最後は頭を下げるように一塁を駆け抜けた。当たり前の走塁だが、それを当然のようにこなす。小久保監督の指導が行き届いている証しだろう。 この日は今季までオリックスで監督を務めた中嶋聡氏(55)がテレビ中継のゲスト解説を務めていた。監督退任会見では選手に求め続けた全力疾走など最低限の約束事が今季は「改善されなかった」と後悔の念を口にしていた。それだけに、昨季まで3連覇を成し遂げた名将の目にはホークスの戦いがどう映っただろうか。4年ぶりの日本シリーズ進出まで、あと1勝。凡事徹底野球で一気に行きたい。(石田泰隆) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社