ストラトス/パンテーラ/ヨーロッパ/トヨタ2000GT…スーパーカーの第1期を彩った名車たち(後編)【ムック「スーパーカークロニクル 完全版ダイジェスト」第2回】
日本の技術力を世界に知らしめた「プレミアムスポーツ」誕生
■ロータス ヨーロッパ (1966~1975年)「図抜けた軽量ボディと優れたシャシーを持つ」 1970年代後半の日本で巻き起こったスーパーカーブームは、池沢さとし氏の連載マンガ「サーキットの狼」が火付け役であったことは間違いないだろう。その主人公である風吹裕矢の愛車として登場したのが、ロータス ヨーロッパSPLだった。 イギリスのスポーツカーメーカー、ロータス カーズがリーズナブルなミッドシップスポーツカーとして1966年にロータス ヨーロッパS1を発売。エンジンはルノー16用の1.5L直4OHV。最高出力は82psと非力ながら、FRP製ボディは665kgと極めて軽量なため走りは活発だった。1968年には快適性を向上させたS2を発売するが、パワースペックは同一だ。 1971年には、TC(ツインカム)に進化する。エンジンはフォード製のブロックに自社製のDOHCヘッドを組み合わせたものを搭載。1.6Lの排気量で最高出力は105psを発生した。さらに72年になるとSPL(スペシャル)が登場すると、大径の吸気バルブを採用し、圧縮比もアップ。126ps/15.6kgのパワースペックとなった。 ロータス ヨーロッパはハンドリングの良さと安価なことで人気を呼び、9000台以上が生産されるヒット作となった。 【ロータス ヨーロッパSPL 主要諸元】全長✕全幅✕全高=4000✕1640✕1090mm、ホイールベース=2335mm、車両重量=710kg、エンジン種類=直4DOHC,総排気量=1558cc、最高出力=126ps/6500rpm、最大トルク=15.6kgm/5500rpm ■トヨタ2000GT(1967~1970年)「トヨタが世界に存在感を示したメモリアルカー」 日本の自動車史に燦然と輝く、トヨタの高性能スポーツカー、トヨタ2000GTは日本を代表するスーパーカーと呼んでいいだろう。 トヨタが本格的な高性能スポーツカーの開発を決めたのは1963年5月に鈴鹿サーキットで開催された日本初の本格的な自動車レース「第1回日本グランプリ」の直後だったと言われている。そこでジャガーやベンツに世界との差を見せつけられたのが契機となった。 開発に着手したのは翌1964年のこと。搭載されたエンジンは、クラウン用のM型2Lの直6SOHCをベースにヤマハ製のDOHCヘッドを架装した3M型。ソレックスキャブレターを3基装着し最
Webモーターマガジン編集部