現役ドラフト“掘り出し物”右腕2人のウリとキズ…《条件付き》で化ける可能性は十二分
NPBの第3回「現役ドラフト」が9日、非公開のオンラインで行われ、巨人の畠世周が阪神に指名された。 【写真】巨人1位・石塚裕惺 野球好きの両親が施した多種多様な「英才教育」…体操、水泳、英語、トロンボーンにソロバン 近大から2016年ドラフト2位で入団。伸びのある直球が武器で、1年目の17年は主に先発として6勝4敗、防御率2.99をマークした。21年は6月からリリーフとして自己最多の52試合に登板したものの、昨年は3月に右肘のクリーニング手術を受け一軍登板ゼロ。今季も1試合の登板に終わった。それでも、二軍戦では37試合で2勝1敗2セーブ、防御率1.41と安定した成績を残した。さるファーム関係者が「原前監督の時代から『あの威力ある直球があれば、将来エースになれる』と言われながら、肩、肘など故障が多く、実力を発揮できませんでした」と言えば、巨人の元コーチは「能力は高いのは誰もが認めるところだが、問題は大胆さがないところ」とこう続ける。 「いいボールを投げようとしすぎる完璧主義者で、高低やコースにきっちり100%で投げたがってボールが先行。ストライクを取りにいって甘い球を打たれるという悪循環に陥っていました。投手コーチの内海の現役時代のように、困ったらど真ん中という割り切りができない。直球も変化球もコースに投げる制球力はあるのに、度胸がないから投げ切れない。能力は高いのだから、環境が変われば化ける可能性はあります」
楽天を2年で放り出された変則右腕
現役ドラフトで阪神が巨人の選手を指名したのは初。畠は藤川新監督に望まれて宿敵に渡ることになる。 パ・リーグの編成担当が「右の変則投手でリーグが変われば面白い」と名前を挙げたのが、楽天から中日への移籍が決まった伊藤茉央だ。 2022年のドラフト4位で東農大北海道オホーツクから入団した2年目のサイドスロー右腕。今季はリリーフで一軍登板6試合、防御率7.94に終わったが、二軍ではチームトップの41試合に投げて防御率2.64だった。 「MAX151キロで148キロの高速シンカーを武器にする。好不調の波があり、コントロールもアバウト。1年目の昨季は一軍で25試合にリリーフ登板して1勝を挙げたものの、2年目の今季は球速もキレもいまひとつで、一軍では通用しなかった。球のキレを取り戻し、コントロールが安定すればの条件つきですが、シュート回転で右打者の内角をえぐる気持ちの強さもあるから、ワンポイントを含めてリリーフとして貴重な戦力になる可能性を秘めています」(前出の編成担当) まだ、プロ2年目の24歳。中日には、第1回の現役ドラフトでDeNAから移籍し、2年間で47本塁打、今オフの契約更改で年俸が9200万円になった細川成也という成功例がある。投手有利の広いバンテリンドームで自信をつかめば、面白い存在になりそうだ。 ◇ ◇ ◇ 実は、現役ドラフトの「年2回実施」が現実味を帯びている。いったいどういうことか。いま、球界で何が起きているのか。 ●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。