「テレビスタッフから聞いて知った」真弓明信氏…阪神へのトレード仰天エピソード ライオンズ時代はオフに中洲でアルバイト!?
トレーナーのひと言で首位打者獲得
昭和58年、真弓氏は打率3割5分3厘で首位打者のタイトルを獲得。初めて打率が3割を超えた年だった。 徳光: 何かつかんだみたいなものがあったんですか。 真弓: それまで、打率にあんまりこだわっていなかったっていうところがありますよね。ショートを守ってたんで、守りのほうが大事っていう気持ちがあったんですよ。だから、5点ぐらい取って勝ってるときとか試合が決まってしまうと、いいかげんに打ってたんですよ。そしたら、チームのトレーナーから「お前、試合が決まったら、いいかげんに打ってるやろ」って指摘されたんです。 真弓: 「試合が決まってても、何でもいいから、ちゃんと打てよ。そしたら絶対3割打てる」って言うわけですよ。 徳光: そのトレーナーもすごいな。 真弓: 内野手って1試合やると結構疲れるんですよね。だから「ランナーで出たくないな」って本当に思ってました。「そこまで言うんやったら」と思って、とにかく最後の最後まで真剣にちゃんとバッティングするようにしたんですよ。 徳光: トレーナーのひと言で見事に花開いたと言いましょうか、首位打者獲得。打率3割5分3厘ですからね。 真弓: 僕が一番嬉しかったのはね、右バッターで長嶋さんと同じ打率で首位打者を取ったことなんですよ。「長嶋さんに匹敵する」って言われた。首位打者は左バッターが多いんでね。 真弓氏と長嶋氏が記録した打率3割5分3厘での首位打者は、この昭和58年の時点で、右バッターとしては、“初代ミスタータイガース”藤村富美男氏の3割6分2厘に次いで2番目に高い打率だった。
長嶋氏「いい天気だね」も一転…
徳光: 真弓さんは、長嶋さんや王さんの現役時代とも重なってますよね。 真弓: 僕のプロ1年目の年が、長嶋さんの最後の年です。 長嶋さんに最初に会ったのはオープン戦。僕らの練習が先で、僕はサードでノックを受けてたんです。そのうち、ジャイアンツの選手がみんな出てきて、長嶋さんがこっちに歩いてきて声をかけてくれたんですよ。 真弓: 「今日はいい天気だね」って言われて、僕は直立不動で「はいっ」。やっぱり違う。もう近寄れないですよ。でも、「いい天気だね」って言われたのに、その試合は雪で中止になるんです(笑)。言われたときは、いい天気だったんですけどね。 徳光: 王さんとは阪神に移られてから実際にプレーをしたことがあるわけですよね。王さんは「すごい一番バッターだ」ってことをずっとおっしゃってました。 真弓: そうなんですか。現役のときに聞きたかったです(笑)。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/8/13より)
プロ野球レジェン堂
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