「テレビスタッフから聞いて知った」真弓明信氏…阪神へのトレード仰天エピソード ライオンズ時代はオフに中洲でアルバイト!?
トレードはテレビスタッフから聞いた
昭和53年のオフ、球団を譲渡された西武ライオンズの真弓氏、竹田和史氏、若菜嘉晴氏、竹之内雅史氏と、阪神の田淵幸一氏、古沢憲司氏との間で4対2の大型トレードが成立し、真弓氏は阪神に移籍する。 徳光: トレードはショックでしたか。 真弓: うれしかったです。ライオンズがそのまま福岡にいたんだったら、多分ちょっとショックだったし、寂しかったと思うんです。ところがライオンズが所沢に行くわけですよ。同じ九州から出ていくんだったら、近いほうがいいなと。 徳光: ただ、僕は思うんですけど、あのトレードで移籍した6人のうち、その後、一番活躍したのは真弓さんですよね。 真弓: あのトレードで一番良かったっていうか、プラスになったっていうのは僕かもしんないですね。 徳光: タイガースへのトレードの話はどこで知るわけですか。 真弓: 大学のグラウンドで秋季練習をやってたんですよ。そしたら、めったに来ないテレビカメラが2台ぐらい来て練習風景を撮影してるんですよ。ディレクターの人に、「真弓さん、ちょっと来てください」って言われて、「珍しいこともあるな」と思って行ったら、「トレードが決まりましたから」って。 徳光: そのテレビスタッフがですか。 真弓: そうそう。「トレードが決まりましたから、インタビューさせてください」って言うんですよ。 徳光: 本人が知らないのに。 真弓: 全然知らない。 徳光: そんなことってあるんですか。 真弓: ああいう話って最初に本人に来ないんですよね。 徳光: いや、普通は来ると思いますよ。
阪神移籍で待遇が一変
真弓: 阪神の入団発表はホテル阪神の一番広い部屋。 徳光: 喫茶店じゃないわけですね。 真弓: 喫茶店じゃない(笑)。100人ぐらい報道関係の人がいる。もう舞い上がりましたよ。「すっごいな、これ」って。 徳光: ライオンズ時代とは収入も随分違ったんでしょうね。 真弓: 全然違いましたね。阪神に来て1年目の契約更改で「いくら貰ってたの?」って聞かれたんで「650万です」って答えたら、「はあっ?」って言われましたもん。1200万になったんじゃないかな。びっくりしました。 徳光: 倍ですか。 真弓:はい。いい球団だなって(笑)。 徳光: 相手球団ごとで、例えば巨人戦で活躍すると査定が上がるとか、そういうことはあるんですか。 真弓: 多少はあるでしょうね。試合ごとに賞金も出るんですよ。これは特別手当みたいなもんですよね。例えば、ホエールズ(現在の横浜DeNAベイスターズ)とやるときは「100万出しますから活躍した選手で分けましょう」っていうやつね。ところがジャイアンツ戦のときだけは「300万を分けなさい」みたいな、そういう差はありました。
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