2025年は「分散化の年」に──ビットコインからDePIN、検索まで5つの予想
ビットコインやDePINのような分散型テクノロジーは、2025年に真価を発揮するとUnstoppable Domainsの最高執行責任者(COO)、サンディ・カーター(Sandy Carter)氏は予測している。 ◇◇◇ 時間はかかったが、2024年はビットコイン(BTC)が数多くの年末の予測を実現し、ついに10万ドル(約1570万円、1ドル=157円換算)に到達した年だった。シャンパンの栓を開けたくなるだろうか。しかし、私はビットコインがこの歴史的な壁を突破したのは、さらに大きな出来事の前兆であり、2025年は待望の「分散化の年」になると信じている。 その理由は、ビットコインの急騰する価値とはほとんど関係ない。過去1年間、分散型テクノロジーの状況を少しでも見てきた者ならば、新しいユースケースの爆増を目の当たりにしてきただろう。その多くは風変わりなもので、中にはクールなものもあり、そしていくつかは人類が現在直面する最大級の課題のいくつかを解決すると期待を寄せられている。これらが合わさって、単なる投機でなく測定可能な影響を通じて、分散化の有用性は現実的となる域にまで達している。さらに重要なことに、これらユースケースが、2025年に分散化を活用することに向けた説得力ある理由を、多数提供している。 では、気を引き締めて、私の考える2025年の5つの予想を紹介しよう。
1. ビットコインの壮大な未来
ビットコイン価格に関する大胆な予測が年末年始の風物詩だが、他で予想されている25万ドル、50万ドルといった数字をなぞるのではなく、より過激な可能性を探ってみよう。ビットコインがグローバルな戦略的準備金の基盤となる可能性だ。 ファンダメンタルズはこの可能性を裏付けている。世界の大国(または思いもよらぬ国)がビットコインを財政上の準備金の一部として正式に採用した場合、現在の価格予測は打ち砕かれる可能性がある。50万ドルでは済まず100万ドル、あるいはそれ以上の金額が、世界で最も希少なデジタル資産を確保しようと各国が争う中で、新たな相場となる余地がある。 地政学的な要素を考慮せず、その希少性だけに着目しても、ビットコインはユニークな資産である。ビットコインは2100万BTCしか存在せず、世界中の6000万の億万長者に比べてはるかに数字として少ない。機関投資家や、今や政府までもがビットコインを大量に買い求めているため、1 BTCでも所有できる望みのある者はまもなくごく少数になるだろう。ただし、賢明にも早期に投資していればその限りではない。 分散型ネットワークとしてのビットコインの実用性が継続的に成長し、法定通貨が孕む不安定性への代替手段としての役割も加味すれば、指数関数的な成長が見込まれる。 しかし、ここで特筆すべきことがある。もはや市場だけでなく、デジタル支配をめぐる競争で各国が互いにヘッジし合うことによってビットコインの価格が左右されることになったらどうなるか。ここが本当に緊張感の高まるところだ。すでにいくつかの国がビットコインの財務プログラムを試験運用しており、50万ドルという数字は出発点に過ぎなくなるかもしれない。