ネッシー、狼男、ケルピー。世界中のモンスターがねこ化!?『ねこもんすたー』の独特な生態に迫る【書評】
恐ろしいモンスターたちも、ねこになってしまえば怖くない!? どこかホッとする愛くるしさで人気の、ぱんだにあ氏によるショートコミック「ねこようかい」。その新シリーズとなる『ねこもんすたー』(ぱんだにあ/竹書房)では、日本のみならずワールドワイドなモンスターたちがねこ化してしまうのだ。 【漫画】本編を読む
ネッシーや狼男、ミイラ男やスフィンクス…。世界各地にはその国々の文化を反映した、恐ろしいモンスターたちの伝説がたくさんある。時に人々を恐怖に陥れるモンスター。だが彼らもねこになってしまえば、ちょっぴりユニークで、そしてただただひたすらかわいい生き物になってしまうのだ。 本作最大の魅力は、モンスターとしての個性や特徴を残しつつも、それを上塗りしていくねこならではのかわいらしくも時にシュールな特徴だろう。 謎に包まれた生態以上に、ねことしての愛らしさで地域の人々から人気になっちゃうネッシー…ではなく「ねっしー」。伝承でもねこの妖精とされるケットシー、もとい「けっとしー」は、とあるカフェの看板ねこ…かと思いきや、言葉を喋れる特性を生かして店員さんになってしまう。人と狼ではなく、ネコ科とイヌ科二つのかわいい生き物の姿を往復するだけとなった「おおかみおとこ」は、丸い物を見るとすぐ狼(というか犬?)になってしまうため、大好きなボールで遊んでいても気づけばすぐ犬の姿に。月だけでなくボールでも狼化するという、ゆるゆるな特性にも思わずくすっとしてしまう。 また水辺に生息する馬の姿をした悪霊・ケルピーが元となる「けるぴー」は、その特性からねこであるにもかかわらず水が好き。モンスターによっては、本来のねことは真反対の性質を持つねこもんすたーたち。本来のねこではなかなかお目にかかれないかわいい一面を垣間見られるのも、ねこもんすたーの魅力。 本来は人に害を及ぼすモンスター。だけどこの姿ならそばに置いておきたい…と思ってしまう人もきっと多いはず。不思議でシュール、けれどしっかりねこ。そんなキュートなねこもんすたーの生態に、あなたも癒やされてみては。 文=ネゴト / 曽我美なつめ