「渡仏して50年」パリで愛される82歳の看板マダムの半生「YouTube で人気に火がついて」
現在、「カフェ キツネ ルーブル」で週4日働く石井さんの1日は、毎朝9時ころに起きて朝食をとることから始まります。仕事は午後1時からなので、余裕を持って12時ころに自宅を出ます。持病もなく元気なので、自宅から毎日バスで通勤しています。 仕事は午後6時まで。帰宅したら午後8時頃までテレビでニュースを観たりしてくつろいでから、夕食の支度を。おみそ汁を作って、新カブなどの野菜を漬けたり、しめさばを作ったり。食後には自分で焼いたケーキとコーヒーか紅茶を飲んでから、お風呂へ。
そんな石井さんの健康の秘訣は、「美味しいものが大好きだから、よく食べること」だそう。 「歳を取るとお肉が苦手になるってよく聞くけれど、私は週に1回はお肉屋さんで200g くらいのフィレ肉をステーキ用にカットしてもらって、それをぺろりと食べちゃうんですよ」
■フランス人マダムたちは、年齢も他人の目も気にしない YouTubeでも暮らしぶりが紹介されている石井さんは、最近では、日本に一時帰国すると、講演を依頼されることもしばしば。
「日本の女性たちは、『私はもう歳だから』とか『いい歳して何してるんだろうって、人から妙に思われたりしないかしら』と、つい人の目を気にして冒険しなくなってしまう。けれど、フランスのマダムたちのように物怖じせずに、どんどん挑戦してみてくださいねってお話ししたら、『私も挑戦してみることにしたわ!』とすっきりした表情で帰られる方がたくさんいらっしゃるんですって。私って、日本の女性たちに勇気を与えてるのよ。なんていったって、私は82歳の元気なおばあちゃんなんだから(笑)」
そのライフスタイルとともに、パリのセンスで着こなす私服ファッションにも注目が集まっている石井さんは、「若い頃にショーや撮影でさまざまな服を着る経験ができたからこそ、自分に何が似合うのかがわかるようになった」と言います。 「たとえば、私にはヒラヒラのフリルや派手な花柄は似合わないし、いつも着る服の色はベージュ、茶色、白、グレー、黒。要するに、シンプルなのがいちばん。クローゼットの中もこれらの色合いで揃っているから、コーディネートに迷うことはありません。とはいえ、たとえ私には似合わない服でも、ほかの女性には似合うかもしれない。だから、自分にはどんな服がしっくりくるのか、ためらわずにどんどん試してほしいですね」