【ヴィクトリアM】ナミュール ドバイ帰りの不安一掃 武豊「すごい切れ味」高野師「間違いなく力を出せる状態」
「ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京) 昨年のマイルCS覇者でG12勝目を目指すナミュールは8日、栗東坂路で追われ、迫力十分の動きを披露した。海外遠征帰りの疲れもなく、高野友和調教師(48)=栗東=は状態に太鼓判。新コンビを組む武豊騎手(55)=栗東・フリー=も力の入る一戦だ。以下、一問一答。 ◆武豊騎手 -ナミュールとは初コンビだが印象は。 「すごい切れ味、特に直線の切れはすごいものを持っている。力を発揮できれば、昨年のマイルCSを勝ったようにこの距離では日本を代表する馬。世界トップレベルの実力の持ち主だと思う」 -昨秋は藤岡康太騎手が代打騎乗でG1初勝利。今回は秋春の国内G1制覇が懸かる。 「マイルCSは衝撃的な強さだったし、ああいうレースができれば。すごくチャンスのある馬に声を掛けてもらったと思うし、これだけの馬を依頼していただいたので期待に応えたい。何とか勝ちたい気持ちは強い」 ◆高野友和調教師 -2戦続けて海外で好走。 「もともと素質を感じていたが、メンバーも強い中でしっかり走ってくれた。結果はもちろん悔しいが、パフォーマンスには満足している」 -2日に帰厩し、5日に栗東坂路で初時計。 「馬の姿や形、乗った感じも問題なかった。日曜日(5日)に軽く動かした感じが素晴らしく弾んでいたし、かなり高いレベルにある印象」 -最終追いは坂路を単走。 「時計は求めずにリズム良く、ためる時間もつくり、最後に少しだけ加速させるイメージ。時計は少し速くなったが、リズム良く動け、調教後の馬の表情、歩様も良かった。間違いなく力を出せる状態」 -昨年のヴィクトリアMは7着。 「昨年も状態は悪くなかったが、結果的に肉体的、精神的に完成する手前。今は心身ともに充実しているし、昨年と違うナミュールをお見せできると思う」 -マイルCSは藤岡康太騎手を背にG1初勝利。 「G1勝利はやろうと思ってできるものではないが、それを代打騎乗で成し遂げてくれた。すごい仕事をしてくれたと今でも思う。彼がここまで押し上げてくれたナミュールをさらに高みへ持って行きたい」 -意気込みを 「実力的にも成績的にも勝ち負けしなければいけない立場だが、ナミュールは完調そのもの。競馬に絶対はないが、しっかり走ってくれると期待している」 <調教診断>能力、実績とも上位なだけに、焦点は海外遠征明けで疲れが残っていないかの一点に尽きるだろう。もともとが馬なりでサラッと仕上げるタイプ。調子の波が分かりづらいが、集中力があって脚さばきも実に軽快。動きからは問題ないと判断したい。