【プロ野球2024 七不思議「謎解き」ワイド】ケガさえなければ打ちまくる! DeNA・オースティン、逆転首位打者
今季も予想外の出来事がたくさん起こったプロ野球。中でも特に球界をざわつかせた異変、珍現象、快挙の謎に野球評論家のお股ニキ氏が迫る!(全7回/第5回目) * * * シーズン141試合目で規定打席に到達。最終的に打率を.316にまで上げ、ヤクルトのサンタナから逆転で首位打者の座を奪ったのがDeNAのオースティンだ。 全力プレーの半面、毎年のようにケガをするため、〝ガラスの大砲〟と揶揄され、過去2年は本塁打わずか1本。今季も肉離れで1ヵ月以上の離脱期間はあったが、来日5年目にして初の規定打席到達。本塁打もチーム最多25本を記録した。 「3年契約の最終年ということで、『今年こそは』というモチベーションが高かったことをインタビューでも語っていました。終盤の活躍がなければ、DeNAのAクラス入りはなかったでしょう」 具体的にはどんな点が打者として優れているのか? 「再現性が高く、MLBで本塁打、打点の2冠王に輝いたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と同じタイプ。オースティンもヤンキース出身なので、同じ指導を受けているのかもしれません」 実はオースティンは、ジャッジとメジャーデビュー戦が一緒で、その試合でアベックアーチを記録するなど、ヤンキースが期待した逸材なのだ。特に、外角高めのストレートにはめっぽう強い特徴がある。 「打席では自分自身が前に進みながら、腕は動かさずにトップをつくりますが、日本人はまずまねできない打ち方。CSでも菅野智之(巨人)のアウトハイを逆らわずに右翼席へ放り込みました」 仮にDeNAと契約延長するなら、セの投手陣は来季、どう抑えればいいのか? 「そもそも、なぜ力勝負を挑むのか。有効なのは斜めにスライドする球で、船迫大雅(巨人)は3球連続スラッターで攻略しました。あの配球がいいですね。あとは、オースティン本人がケガとどう向き合うか次第だと思います」 文/オグマナオト 写真/時事通信社