【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界】Vol.26タルトタタンとアップルパイは何が違う?
世界で親しまれているアップルパイ
世界で親しまれているアップルパイアップルパイはアメリカを代表するスイーツとして有名です。発祥そのものは、古くヨーロッパで親しまれていた焼き菓子がアメリカに渡って、今のようなパイ生地でアップルを包んだ形に定着したと言われています。「アップルパイは種類も豊富ですし、今は、家庭で作る人もたくさんいるくらい、日本でも定番のスイーツになっています。アップルも形や硬さも程度残したものから、ジャムのようにトロトロするくらいに溶かしたものまで、たくさんのバリーションが楽しめます」
甘く煮詰めたアップルとパイの極上の組み合わせ
甘く煮詰めたアップルとパイの極上の組み合わせアップルを甘く煮詰め、サクサクしたパイ生地と組み合わせる。シンプルだけど、なんて素敵な組み合わせでしょう。タルトタタンもアップルパイもこんなに長く庶民の味として親しまれているのも納得ですね。ちなみに、大森由紀子著『お菓子の名前と由来』(世界文化社)には、こんなエピソードも紹介されています。古くなったアップルの活用方法として、姉妹はアップルにキャラメルとバターを染み込ませると美味しくなることを知っていた。タルトタタンは失敗の副産物ではなく、タタン姉妹の計算づくの焼き菓子だったのでは? と。さらに同書には、ホテル・タタンは現存し、今でも訪れる多くのお客さんにタルトタタンを提供していると記されています。
教えてくれたのは…
教えてくれたのは…パティシエ:大澤智弥さん専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。
ウフ。編集部 井上司