私の2025年の目標は「生産性を下げる」こと。楽しい仕事は質を上げる
ここ何年か、私は毎年同じ新年の誓いを立てています。それは一見、新年の誓いに対するアンチテーゼのような内容です。 しかし、この新年の誓いは、私を少しずつ着実に成功へと導いています。 それは「生産性を少し下げる」という誓いです。
ワークライフバランスの優先
私は自分のことを、のんきで成り行き任せな、いわゆる「Bタイプ」に属するタイプだと思いたいのですが、現実には逆で、間違いなく「Aタイプ」の人間です。 ToDoリスト1つとっても、証拠は歴然です。 私の1日は長いToDoリストづくりからはじまります。仕事用を1つ、プライベート用を1つです。 人が見たら、失敗間違いなしと思うでしょう。 確かに、その全部をクリアできることはめったにありません。ですが、年に数回、それが達成できたときの喜びは格別です。 私は間違いなく、いかにもアメリカ的な生産性への執着にとらわれた人間です(こうした執着は実際には、かえって生産性を下げるのですが)。 私たちは「すべてを手に入れる」ために「すべてをやる」ことを目指して、いろいろなことに手を出します。 ソーシャルメディアは、スキンケアから起床までのあらゆることを、複数のステップで構成されたルーチンに変える人たちであふれ返っています。 「今日も1日がんばろう!」「ハッスルしよう!」「最適化しよう!」という感じです。 こうしたマインドセットは、必ずしも幸福にはつながりません。 歳を重ねるにしたがって、私はますます幸福を追求するようになっているのですが、そうした追求の大きな部分を占めているのが「ワークライフバランスの優先」です。 具体的には、起きている時間のすべてを仕事や生産性に費やさない、意識的に境界線を引く部分を増やす、あえて非生産的なことに時間を割く、ということに気をつけています。 年末年始の慌ただしい時期にはありがちなことですが、ワークライフバランスが何かと話題になっています。 最新の調査によれば、1日の平均労働時間がいちばん長い国はアメリカで、8時間29分だそう。 これは、経済開発協力機構(OECD)の平均労働時間より18%以上も長く働いていることになります。 ちなみに、テック企業Greptileの創設者であるDaksh Gupta氏は先日、自社にワークライフバランスなど存在しないことを認めて、話題を集めました。