「安倍vs.石破」自民総裁選の仕組みと歴史 坂東太郎のよく分かる時事用語
「党員・党友票」が事前の予測を覆したケースは過去に2回。1回目は1978年の「大福」決戦。初の党員・党友による「予備選」が行われました。敗れた福田氏が本戦を辞退して敗れ去ります。 2回目が2001年の「小泉ブーム」。本命視されていた橋本龍太郎元首相を、「古い自民党をぶっ壊す」と息巻いた小泉氏が予備選で圧倒。地方の選択に驚いた国会議員票も小泉氏に傾いて勝利をもぎ取りました。 もっとも今回のルールでは「党員・党友票」の結果判明が国会議員の投票後なので、議員票に直接的には影響を与えません。党員・党友だけの予備選形式も取っていないのです。よって過去2回と一概に並べて評価できないともいえましょう。
--------------------------------- ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など