安い! 初回限定! 回数縛りなし! そんなお得な商品の広告。申し込みのカウントダウンに急いで購入したら、中途解約手数料の請求がきた! どのように対処したらいい?
スマホで動画を見ていたA子さん。途中に、ダイエットサプリメントの広告動画が表示されました。「初回限定90%off、いつでも解約可能」「2度とないこのチャンスをお見逃しなく!」 体形が気になっていたA子さんは、「この値段なら試していいかも」と思い購入ページを開きました。すると、ページの上部に、『お得な購入期限まで残り○秒』のカウントダウン表示がパタパタと動いています。A子さんは、慌てて登録をして、最終確認画面もざっと目を通しただけで申し込んでしまいました。
ダークパターン
A子さんは、広告の言葉に引っかかり、カウントダウンにあおられ、あっという間に購入してしまったのですが、これはダークパターンといわれるものです。 このように消費者が気づかぬうちに、事業者の思うように判断・意思決定をするよう誘導する仕組みのウェブデザインなどをダークパターンといい、OECD(経済協力開発機構)報告書では、ダークパターンの実用的な定義を次のように提案されています。 『ダーク(・コマーシャル・)パターンとは、消費者の自主性、意思決定または選択を覆す、または損なうデジタル選択アーキテクチャの要素を、特にオンライン・ユーザー・インターフェースにおいて、利用するビジネス・プラクティスのことである』 さらに続けて、以下のようにも述べられています。 『これらは、しばしば消費者を欺き、強制し、または操作し、さまざまな方法で直接的または間接的に消費者被害を引き起こす可能性があるが、多くの場合、そうした被害を計測することは困難または不可能であろう』 (引用:消費者庁 OECD ダーク・コマーシャル・パターン OECD デジタルエコノミー文書 2022 年 10 月 No.336) 人の行動パターンや心理を利用し、消費者が購入しないであろう商品までも買わないと損だと思わせ購入させてしまう、たくさん買ったほうがお得であることを強調して必要以上に多く購入させる、解約を困難にして購入継続させるなど、事業者は消費者をだましてでも利益の増加望んでいる以上にお金も時間も使わせて、事業者は利益を増加させようとします。 例えば、いつでも「タイムセール」、いつまでたっても閉店しない「閉店セール」などもダークパターンに該当します。