結婚の秋元才加 振り返るデビュー当時の真摯なエピソード
元AKB48メンバーで女優の秋元才加がヒップホップアーティストのPUNPEEと20日に結婚。報告は22日、互いのツイッターにウェディングドレス姿の秋元とPUNPEEが赤いオープンカーに乗ったイラストを掲載することで行われた。週明け早々のおめでたいニュースだったが、AKB48時代の秋元はどんなメンバーだったのか取材を通して見聞きしてきた人柄から振り返ってみたい。
親しまれた宮澤佐江との“ツインタワー”
秋元は1988年千葉県の出身で、フィリピン人の母親と日本人の父親のもとに生まれた。2006年2月「第二期AKB48追加メンバーオーディション」に合格し、同年4月1日、AKB48劇場でのチームK初日公演でデビューを飾った。当時はまだ「チーム~」といった呼び方が統一されておらず、「Kチーム」などとも呼ばれている頃。身長166センチのスラッとしたプロポーションで、同じように追加オーディションに合格し同日公演デビューした宮澤佐江と合わせ「ツインタワー」という愛称で親しまれた時期もある。 グループがメンバーを増員して行く中で、秋元は何事にも真摯に取り組む姿勢が伝わってくるメンバーの一人だった。AKB48加入時はまだ10代だったが、取材時の受け答えからも「アイドルグループのメンバーとして」という以前に、人としてきちんとしている、言えばわかる、といった印象があった。
真面目さと愛嬌が同居
若くても“自分を持っている”、つまり自分の意志であり意見であり、を感じさせるメンバーの一人だっただけに、グループ活動となれば自分に求められていることや指摘されることなどに対して、時には受け容れがたいこともあったかもしれない。だが秋元は、いつ取材しても落ち着いて見えた。グループが人気上昇する中、選抜メンバー入りしたりといったことについても、一喜一憂することもなかったように見えた。当時インタビューした別のメンバーから、「才加は背中を見せつつ、指摘もできる。メンバーからの人望のある子なんです。でも、ただ真面目なだけじゃなくて、愛嬌があるんですよ。ご家族が時々観覧にみえるんですけど、皆さんユニークで、ああ才加の愛嬌のあるところってこのご家族だからこそなんだな、って」と聞いたことがあるが、しっかりしているのに愛嬌もあるという部分はファンにとって魅力的なポイントだった。そんなキャラが表現されたのが「虫のバラード」や「ウッホウッホホ」といったナンバーだ。どちらの曲も、“歌詞の世界観”を体現しているパフォーマンスだった。 もちろん、いつもベストコンディションだったわけではなかっただろう。初期の頃のAKB48は、時に取材が一人だけ、といった寂しい日もあった。劇場内で待たされることも多く、ケガをして公演に出ることができなくなったメンバーが泣きながらスタッフに出演を直訴したり、といった現場ならではのさまざまなやりとりを目の当たりにする機会も多かった。そんな中で秋元に関して印象的なのは、練習でのパフォーマンスをスタッフから褒められたときに「ほんとですか?」と、まるで疑心暗鬼に聞き返していた場面を2度、3度と目撃したことだ。褒められても天狗にならない子なんだな、と感じたのを覚えている。 結婚で公私共に充実したところで、今後にも期待したい。 (写真・文:志和浩司)