“クラブの格”か“出場機会”か、リバプールで不遇の遠藤航はどちらを優先すべきか? 現状のままでは長谷部誠がかつて感じた「日本代表で説得力を欠く」恐れも…
軽視できない「リバプール」の肩書き
北中米ワールドカップのアジア最終予選を戦う日本代表にとって、無視できないのが遠藤航のリバプールでの現状だ。今季就任したアルネ・スロット監督の下、遠藤はリバプールで出番に恵まれていない。ウェストハムとのカラバオカップ3回戦(9月25日)で今季初先発を飾ったとはいえ、やはりコンディションは気になるところだ。 【PHOTO】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの悩殺ショットを一挙お届け! なにしろ、日本代表では不動のボランチでチームキャプテン。不可欠な戦力で、今のところ代役は見当たらないのだ。だからこそ、プレミアリーグでほとんど出場機会がない現状に危機感を覚える。 ちなみに、日本代表の元キャプテン、長谷部誠はウォルフスブルクに在籍した12-13シーズンに開幕から8戦連続のベンチ外と苦しい時期を過ごしている。引退会見では当時のことを次のように振り返っていた。 「クラブでベンチにも入れない時期は辛かった。移籍問題で揉め、結果的に残留になるとベンチにも入れず練習もさせてもらえない時期もあった。それでも日本代表でキャプテンとして示さないといけない。説得力がない部分を感じて、すごく悩んで苦しい時期だった」 さすがにここまで遠藤が苦しんでいるとは思わないが、このままクラブで不遇の状態が続くと、「説得力を欠く」状況に陥る恐れはある。出場機会を求めて、この冬に新天地を求める手もあるだろう。 しかし、「リバプール」の肩書きを失ってもいいのかという疑問はある。 ヴィッセル神戸に在籍中の酒井高徳は過去の独占インタビューで興味深い話をしてくれた。「僕は日本代表のために死力を尽くしました。ただ、それ以上にヨーロッパの舞台で活躍して自分の名前を残すことを考えながらサッカーをしていた部分はあります」と。ビッグクラブで結果を残すことがプロサッカー選手において何より価値があると主張していたのだ。 「世界中にファンがいるクラブのスーパースターになって自身の価値を高めるパターンがいわば王道。日本代表の誰々ではなく、昔なら『マンチェスター・ユナイテッドの香川真司』、今なら『アーセナルの冨安健洋』のほうが何倍も、いや、何十倍も価値がある。国のために戦うこととは全然違う話です。選手の価値についての見解です」(酒井) “クラブの格”か、“出場機会”か。どちらを優先するかによって今後のアクションは変わってきそうだが、そもそも監督との相性も考えないといけない。いやはや、遠藤は非常に難しい状況にある。 個人的には、リバプールで粘り強くやってほしい。遠藤は現在31歳で、移籍となると都落ちになるはず。一度離れたら、現状のステージに戻ってくるのは困難だろう。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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