「逆ギレ戒厳令」不発で尹錫悦大統領はもはや詰み…次は「反日モンスター」
野党の「勝利の雄叫び」
韓国では憲法第77条5項の規定により、国会が在籍議員の過半数の賛成で戒厳解除を要求した場合、大統領はこれに応じなければならない。そのため、尹大統領は戒厳軍を国会に差し向けて、国会を封鎖しようとした。 ところが野党勢力の強硬な抵抗に遭い、戒厳軍の国会封鎖が遅れた。その間に国会の本会議場では、在籍議員190人の賛成によって、戒厳令解除決議案が可決されたのである。この中には、本来なら尹大統領を支持するはずの与党「国民の力」の議員も18人含まれていた。 国会前で、最大野党「共に民主党」を率いる李在明(イ・ジェミョン)代表は、「勝利の雄叫び」を上げた。 「今回の戒厳令自体が、実体的な手順、要件を満たしていない完全に無効のものだったのだ。そのため、いま行われた国会の解除議決をもって、違憲、無効であることが確実に確認された!」 今回の「大統領のクーデター」は、完全に尹大統領が自らの墓穴を掘るオウンゴールとなってしまった。「戒厳令」の成否はともかくとして、大統領が大変重い決断をしたのであれば、それを貫かなければならなかった。国民監視のもとでの「クーデター未遂」は、すなわち大統領の命とりである。
尹錫悦政権は終焉か
私は、本日2024年12月4日をもって、事実上、尹錫悦政権は終焉(しゅうえん)を迎えたと見ている。すでに側近たちの「辞表の山」となっている。 今後の展開は、まず今週土曜日に韓国全土で、尹大統領の退陣を求める大規模な「ろうそくデモ」が起こる。そして、デモに後押しされた国会が、大統領の弾劾(だんがい)手続きを進めていくだろう。 すなわち、2016年の秋から2017年の春にかけて、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対して起こったことの繰り返しだ。尹大統領の任期は、2027年5月までだが、約2年前倒しされて、弾劾が成立。再び大統領選挙となるに違いない。 当選するのはおそらく、前述の李在明「共に民主党」代表だろう。日本では悪名高いあの文在寅(ムン・ジェイン)元大統領の愛弟子だ。 2022年5月に、韓国の大統領が文在寅氏から尹錫悦氏に代わって、日韓関係は「最良の時」を迎えた。岸田文雄首相との間で、実に12回もの日韓首脳会談を開催。慰安婦、徴用工、レーダー照射、旭日旗掲揚、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)、輸出規制、福島ALPS処理水という、いわゆる「日韓8大懸案事項」を、ことごとく解決に導いた。