“不整脈”原因は肥満や喫煙などの生活習慣の乱れ?【心臓の専門医に聞く】
「不整脈」には種類があり、あまり心配のない一過性のものから、早急に治療が必要なものまでさまざまあるそうです。そこで今回は不整脈についての基本的な知識から予防法まで、循環器内科医の山本哲平先生(あきはばら心臓血管・内科院長)にお伺いました。 【図解】「不整脈で突然死する前兆症状」はご存知ですか? [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
心臓の脈拍が乱れる「不整脈」とは? 不整脈になると動悸・息切れなどどんな症状が現れる?
編集部: 「不整脈」とはどんな状態ですか? 山本先生: 通常、心臓は一定のリズムで拍動し、正常な心拍数を保ちますが、なんらかの要因でこれが変調をきたすことがあります。 脈が速くなったり遅くなったり、時々脈がとんだり、リズムが不正確になったり、これら全てを「不整脈」と呼んでいます。心拍が速くなる「頻脈性不整脈」や心拍が遅くなる「徐脈性不整脈」など、いくつかの種類に分けられます。 編集部: 不整脈になるとどんな症状が出るのですか? 山本先生: 不整脈に伴って起こる症状は、軽度のものから重度のものまでさまざまですが、代表的なものでは息切れ、動悸、胸部不快や胸の痛み、血圧低下や、それに伴うめまいなどがあります。また、症状のない不整脈もあります。 編集部: 不整脈は病気ですか? 山本先生: 不整脈の多くは、実はあまり心配の無い一過性のものです。例えば「心室期外収縮」と呼ばれる不整脈は、健常であっても多くの人にみられます。しかしながら、なんらかの病気が原因となって生じていることや、危険性の高い不整脈が隠れていることも考えられます。 症状がある場合や、心室期外収縮であっても健診などで回数が多いと指摘された場合は、速やかに受診することをお勧めします。
「不整脈」が起きる主な原因や発症リスクにつながる生活習慣とは?
編集部: 危険な不整脈もあるのですか? 山本先生: もちろんあります。代表的なものは「心房細動」で、脳梗塞や心不全の原因となり健康寿命に大きな影響を与える不整脈です。 動悸やめまいなどで発見されるケースも多いですが、ずっと無症状だったけど、脳梗塞を起こして初めて発見されることも多く、注意が必要です。 編集部: 不整脈の原因はなんですか? 山本先生: 特に原因疾患のない突発性の不整脈が多いのですが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や心臓弁膜症といった基礎心疾患がある場合、甲状腺異常や肺に病気がある人などは不整脈になりやすい傾向にあります。 編集部: ほかに何か要因はありますか? 山本先生: 不整脈の発症リスクはいくつか分かっています。加齢や高血圧、糖尿病などは不整脈を起こしやすくします。また、喫煙やストレス、肥満、過剰な飲酒、睡眠不足や疲労なども不整脈のリスク因子となります。