“不整脈”原因は肥満や喫煙などの生活習慣の乱れ?【心臓の専門医に聞く】
「不整脈」にならないために 日常でできる予防方法はある?
編集部: 不整脈にならないためにはどうしたら良いですか? 山本先生: 先ほどのリスク因子を出来るだけ減らすことです。禁煙や節酒、さらには適度な運動や、ご自身なりのストレスコントロールを心がけましょう。肥満の人や、熟睡感を得られにくい人などは、一度「睡眠時無呼吸症候群」の検査をしてみても良いと思います。 編集部: それはなぜですか? 山本先生: 睡眠時無呼吸症候群は、自律神経の働きのバランスを崩し、不整脈や不整脈に起因する心臓突然死のリスクを高くするからです。睡眠時無呼吸症候群の治療をするだけで、将来的な不整脈のリスクを減らせると思います。 編集部: ほかに何か予防法はありますか? 山本先生: 予防法ではありませんが、早期発見のためにぜひ知っていただきたいのは「検脈」の大事さです。「検脈」とは、自分で脈を触診することで、手首の親指側に反対の手指3本ないし4本を置くと脈を触知できます。 もし、自覚症状のない不整脈が起こっていても、検脈をすることで、脈が飛ぶなどのリズムの乱れを早期発見できます。 不整脈の早期発見・治療のために、日本脳卒中協会や日本不整脈心電学会が中心となって日常的な検脈を推奨しています。起床時と就眠前に検脈を習慣づけましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 山本先生: 不整脈には種類があり、症状が全くないまま突然死をきたす不整脈というのは実は少なく、多くは心配のないものです。しかし、心房細動に関しては、症状のないまま心不全や脳梗塞となるケースもあるため、早期発見が非常に重要な不整脈と言えるでしょう。 症状のある時はもちろんのこと、症状がなくても、職場や自治体の健康診断で指摘された場合やご自身での検脈で心配な脈があった場合は、お近くの循環器内科などに相談することをお勧めします。
編集部まとめ
不整脈の種類や原因、日常生活でできる早期発見の方法などを解説していただきました。心電図検査を行わなくても、脈がとんだり、リズムが乱れたりなどの兆候は、ご自身での検脈でわかるとのことでした。 また肥満の人や熟睡感を得られにくい人などは、一度「睡眠時無呼吸症候群」の検査をしてみても良いのではないでしょうか。
【この記事の監修医師】 山本哲平 先生(あきはばら心臓血管・内科) 日本医科大学医学部卒業後、日本医科大学千葉北総病院や日本医科大学付属病院などで経験を積み、2022年10月より現職。医学博士、日本循環器学会循環器専門医、日本不整脈心電学会不整脈専門医、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本不整脈心電学会評議員。
Medical DOC