胸に響いた言葉「一番しびれた」 森保監督が残した降格クラブのサポーターへ「応援し続けて」
「クラブのあり方、チームの作り方っていうところで、鳥栖は鳥栖らしく、磐田は磐田らしく」
森保監督には、鳥栖は熱狂的なサポーターが多い印象があったのだろう。この日もゴール裏に踊った横断幕に視線を向けていた。「『鳥栖が好きな俺だから』とか『恋人がサガン鳥栖』という横断幕にあるような、まさにこの文言のように鳥栖を応援してもらいたいなと思います。磐田の皆さんもすべてのJクラブが宝である、誇りであるという部分で応援し続けてほしいと思います」。コアなサポーターはそんなことはないだろうが、当然、降格となれば、スタジアムから足が遠のくファンもいるはず。日本サッカーの未来を考える身としてカテゴリーに関係ない熱いサポートを求めたかった。 この日の試合前、佐賀県の山口祥義知事が挨拶に立ち、クラブとサポーターに対して、熱いメッセージを発していた。「将来、この降格があったから今のチームがあるって言えるように、この降格をチャンスに変えよう」といった内容だった。このスピーチに心を打たれていたのが、他でもない森保監督だった。 「山口知事の話が一番しびれました。クラブのあり方、チームの作り方っていうところで、鳥栖は鳥栖らしく、磐田は磐田らしくあるといいなと思いました。鳥栖は育成の舞台ですごく成果を出しているチームだと思いますので、鳥栖の良さ、佐賀県の良さを存分にこれからのチーム力に反映していただければなと思います。本当に47都道府県のそれぞれの特徴を生かして、Jリーグのチームが高いレベルでしのぎを削るっていうのをすごく楽しみにしています」 今季はコンサドーレ札幌のJ2降格も決まり、来季は東北、北海道にJ1クラブが不在となり“最北”は鹿島アントラーズになる。また、鳥栖の降格により、九州もJ1はアビスパ福岡の1クラブだけ。「地域と地域の戦いという盛り上がりも出てくると思いますし、日本全国にJのチームがあるといいなと思います。九州のチームはカップ戦では優勝しているので、J1の舞台で九州のチームであったり、東北、北海道のチームも優勝する時代が来るといいなと思います」。カテゴリー問わず、常に厚い応援がある。日本中で熱い戦いがある。日本サッカーの発展を思う森保監督が、降格する2クラブを見て改めて抱いた願いだった。
FOOTBALL ZONE編集部