【元警察官】が答える!「マイナカードと運転免許証がまとまると、便利?」3方式から自分に適したのを選ぶのが◯
やっぱりやめておく? マイナ免許証のデメリット
国が推し進めるDX化には「どこか信用できない」という感想をもっている方も多いでしょう。マイナンバーカードの紐付け間違いやマイナ保険証の改悪などが祟っているので、不安に感じるのも当然です。 マイナ免許証で最も不安視されているのは、悪用や情報漏えいでしょう。マイナンバーカードには預金残高や税、病歴などのプライバシー性が高い情報は記録されていません。しかし、免許証と一体化して日ごろから持ち歩くようになると、紛失して誰かに悪用されたり、個人情報が漏えいしてしまったりするのではないかという不安が大きいようです。 また、紛失に関しては、再発行が面倒になるという点も無視できません。従来どおりの運転免許証なら、紛失しても運転免許センターに行けば即日で再発行されますが、マイナンバーカードと一体化すると再発行までに1か月以上の時間がかかってしまいます。 仕事などで常に運転免許証を携帯しなければならない事情があるなら、従来どおりの運転免許証を再発行するしかありません。もちろん、その際は再発行の手数料がかかってしまいます。マイナ免許証の手数料は従来よりも安くなっていますが、従来どおりの運転免許証の再発行手数料は反対に値上がりするという冷遇です。 ほかにも、券面をみるだけでは運転免許の有効期間がわからず、有効期間を調べるには警察庁がリリース予定のアプリが必要になるというデメリットがあります。なお、マイナ免許証のみに切り替えたとしても、更新時期の通知は従来どおり郵送される予定です。
マイナ免許証への対応で困っている業界は?
私生活を送るうえでは、マイナ免許証を選択しても、従来どおりの運転免許証を選択しても、あるいは2枚持ちでも、すぐに困ることはないでしょう。ただし、トラック輸送などの運送業やバス・タクシーなどの旅客業では、今後の対応に苦慮しています。 これらの業界では、始業前にかならず「点呼」がおこなわれます。点呼では、健康状態や前日の飲酒の有無などをヒアリングするほか、有効な免許を所持しているのかを目視で確認するので、マイナ免許証に切り替わると「本当にこれが運転免許証なのか?」を確認できません。 点呼システムを販売している各社はマイナ免許証に対応するシステムへのアップデートを予定していますが、警察庁が詳細情報を公表していないのでまだ対応が追い付いていない状況です。