お顔に特徴がある、オンリーワンの疾病を抱えながらも前を向く家族。「生まれてきてくれてありがとう」と伝え続けたい【体験談】
ブログやYouTubeを公開。「たくさんの人に未来くんのことを知ってほしい」
――妊娠中からブログ配信、2023年10月からはYouTubeチャンネルも開設されました。どのような経緯だったのでしょうか? しほ ブログは妊娠中から書いていました。未来の頭部に問題があると指摘されてから、ほかの医療ケア児の保護者さんが発信するブログやYouTubeをたくさん見て参考にさせてもらって、勉強していました。だから私も少しでもほかの人の参考になればと思ったんです。 ブログでは未来のことを「おもちくん」と愛称で記していますが、胎児のころから呼んでいるいわゆる「胎児ネーム」です。私も夫も、もちもちした感触のものが好きだったので、妊娠がわかったころから、おなかの赤ちゃんに向かって「おもち~」などと呼びかけていました。男の子とわかってから「おもちくん」と呼ぶようになりました。 YouTubeは未来が生まれる前に夫から「配信しない?」と提案がありました。未来の目が離れている、あごが小さいなどの状態がわかっているころから、情報を配信することのほうがプラスであるというのが夫の考えでした。 ただ、私は最初、かなり慎重でした。ブログは時間をかけて言葉を選べます。でも、動画となると見ている方がどんな気持ちになるかイメージできず、不安もありました。とはいえ、文字や写真よりも、動画の情報量は多く、実際に未来が動いている姿を見てもらうことで、より理解を深めてもらえるのではないかと思うようになり、配信しようと決断しました。最初は退院と合わせて配信開始しようと思っていたのですが、想像以上にバタバタして、退院して2カ月後からのスタートになりました。 ――ブログではスタンプを使っていた未来くんのお顔ですが、YouTubeでは、公開しています。 しほ 未来は、顔に大きな特徴を持っています。だから初めて見た方は驚いてしまうかもしれません。でも、「未来みたいな医療的ケア児がいるんだな」と、知ってもらうことが大事だと思っています。そうすることで、未来や、いろんな医療的ケア児が受け入れてもらえ、この社会で少しでも生きやすくなるのではないかと考えているんです。 私たちは未来のお顔はもうすっかり見慣れています。見れば見るほど「愛らしくて本当にかわいいな」とか「ごく普通の子だな」と思います。だから、YouTubeを通して未来のかわいさを知ってもらいたいという親バカな気持ちも少しあります。