考察『光る君へ』まひろ(吉高由里子)、帝(塩野瑛久)に物申す!伊周(三浦翔平)隆家(竜星涼)兄弟の放ってはいけない矢…虚実が揺さぶる19話
大河ドラマ『光る君へ』 (NHK/日曜夜8:00~)。舞台は平安時代、主人公は『源氏物語」の作者・紫式部。1000年前を生きた女性の手によって光る君=光源氏の物語はどう紡がれていったのか。19話「放たれた矢」では、まひろ(後の紫式部/吉高由里子)が清少納言(ファーストサマーウイカ)の手引きで中宮・定子(高畑充希)と出会います。ドラマを愛するつぶやき人・ぬえさんと、絵師・南天さんが各話を毎週考察する大好評連載19回です。
一条天皇の信頼
右大臣・道長(柄本佑)の政権が発足。 一条天皇(塩野瑛久)から「そなたは関白になりたいのか」と問われ、きっぱりと「なりたくはございません!」。 関白は陣定(じんのさだめ/会議)に出られないからなりたくはない、皆と直接顔を合わせて議論し、帝の補佐役として政を行いたいのだと。 ただでさえ、現場主義の仕事人は好感度が高い。ましてや帝は、前の関白・道隆(井浦新)と母である女院・詮子(吉田羊)からそれぞれ「伊周(三浦翔平)を関白に!」「道長を関白に!」と責め立てられ、伊周からは(なぜ関白にしてくれないんだ……)と恨みがましい顔をされた後である。 道長のこの言葉は、帝に安心感をもたらし、信頼を得るのに十分な効果があったろう。
青春の終わり
惟規(のぶのり/高杉真宙)が借りてくれた「新楽府」(しんがふ)を熱心に写し取るまひろ(吉高由里子)と、その様子を呆れて見ている、いと(信川清順)の会話は、他人に理解されにくい趣味を持つ人と、理解しない家族との間で、交わされがちなものである。 「そんなに楽しいのですか?」 「楽しいというより、ためになるの」 肥前のさわ(野村麻純)が婿を取ったという報せが届く。「家のために婿を」と、いとがまひろを促している間に来た手紙である。さわは、婿を取ることで父の家にとって「どうでもいい娘」ではなくなったのだろうか。迎えた夫は、よい人だろうか。 境遇が変わっても彼女たちの友情は続くだろうが、青春が終わりを告げた。切なく思いながらも肥前で暮らす、さわの幸せを祈っている。
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