レア車も発掘 「風の丘」に残された廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記
ジャンクヤードで眠る廃車を巡る旅
米国最後の偉大な自動車ジャンクヤードの1つであるウィンディ・ヒル・オートパーツ(Windy Hill Auto Parts)を再訪する。ここを取材させていただくのは今回が2度目であり、最後でもある。 【写真】アメリカン・マッスルカーの第1世代【ポンティアックGTOを写真で見る】 (44枚) ミネソタ州ニューロンドン近郊の丘陵地に、文字通り何千台ものクラシックカーが、さまざまな状態で置かれている。在庫の大半は1950年代と1960年代のものであるが、よく探せば100年前のクルマも見つかる。 (翻訳者注:こちらのジャンクヤードについては、以前公開した【「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選】という記事でも取り上げており、今回はその続編となります)
マーキュリー・カスタム(1953年)
この1953年型マーキュリー・カスタムは、ヤードの入り口の道路脇に駐車されており、敷地内で見られるであろうものを予感させる看板役であった。この2ドア・セダンは2023年8月にウィンディ・ヒル・オートパーツにやってきて、他の在庫と同じく、部品取りされる予定である。
アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
米国のジャンクヤードでアルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダーを見つけるには、長い時間探し回らなければならない。ピニンファリーナによるイタリア製スポーツカーで、新車同様の状態であればかなりの高値で取引される。もちろん、この個体は修理不能だが、まだいくつかの部品が残っている。総生産台数は1万4300台で、米国は主要な輸出市場であった。
ルノー・アライアンス・コンバーチブル
AMCが米国で製造したルノー・アライアンスとその兄弟車であるアンコール(ハッチバック)は、比較的売り上げが良かった。実際、1983年から1987年の間に、60万台以上がウィスコンシン州ケノーシャ工場から出荷された。1985年にはコンバーチブルも登場し、この個体は高級仕様のDLモデルである。背景のマツダのトラックがきれいに折れている点にも注目してほしい。
ポンティアック(1934年)
正直に言うと、ルーフに書かれた文字がなければ、この1934年型ポンティアックを特定するのは難しかっただろう。広大な敷地の静かな一角に置かれたこの個体は、アフリカのサバンナで肉食動物に襲われて骨だけになった動物の亡骸を彷彿とさせる。クラシックカーが破砕機にかけられるのは悲しいが、このクルマにまだ使える部品が残っているかどうかは怪しいところだ。