【Japan Data】あれもこれも負担増の春 : 暮らし変わる 4月―コロナ治療自己負担、物流2024年問題
新年度スタート!桜が開花し、フレッシュな気分で走り出したいところだけれど、日々の暮らしではあれやこれやの負担増で晴れやかな気分にはなれそうにない。 物流2024年問題がいよいよ現実のものに。ドライバーの残業が規制される一方、宅配便の配送料は値上げ。
コロナ治療、自己負担に
新型コロナウイルス感染症治療に対する公費負担が3月末で全廃され、自己負担となる。塩野義製薬の新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」は、3割負担の場合、1回の治療当たり(5日分)で1万5000円超の支払いとなる。 ワクチン接種は65歳以上の高齢者らを対象に年1回の定期接種に移行し、自己負担額は最大7000円。65歳未満は任意接種となり、原則全額自己負担。
後期高齢者の医療保険料増額
75歳以上の後期高齢者のうち、年金収入が年211万円以上の約540万人の医療保険料を引き上げ。負担増は1人当たり平均4100円。
介護保険料引き上げ
65歳以上の高齢者の介護保険料について、年間合計所得が420万円以上の所得上位層を対象に引き上げ。支払い能力に応じた負担を求め、低所得者の保険料上昇を抑制する狙い。
食品値上げ2800品目超
帝国データバンクの主要食品195社を対象とした価格改定動向調査で、4月の飲食料品値上げは 2806 品目。うち2077品目が、ハム・ソーセージなど畜肉製品や冷凍食品など「加工食品」。
宅配便値上げ
ヤマト運輸が大型サイズやクール宅配便などの配送料金を引き上げ。改定率は平均2%。佐川急便は基本料金を平均7%程度引き上げ。燃料価格などのコスト上昇に加え、深刻なドライバー不足が懸念される物流2024年問題に対応するため、従業員や配送委託先の待遇の改善などにつなげる。
賃上げ
連合の3月21日時点の集計で妥結済み企業の平均賃上げ率5.25%。
トラックドライバーなど長時間労働の規制
改正労働基準法に基づき、トラックなどの運転手、建設業、医師に対し、残業時間の上限規制の適用が始まる。自動車の運転業務は年960時間、建設業は720時間が上限となる。医師は、地域医療維持などの理由があれば最大1860時間。現場の人繰りが苦しくなり、サービス維持に支障が出る可能性も。