国際結婚したタワマンマダムの嘆き「日本のマンションって」 20年ぶり帰国で不満あらわ
タワマンにも「はやり」がある
瑤子さんの悩みについて、中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに話を聞いた。 「日本における一般的なマンションの収納率(床面積に対する収納スペースの割合)は、だいたい8~10%と言われています。60平米の部屋であれば、多くても収納は6平米。3畳程度の広さしかないのは仕方がないことでしょう。しかし、だからと言ってすべてのタワマンが収納不足かというとそうではありません。というのも、その建物が建てられた時期によって『はやり』があるんです。 たとえば2000年代初めごろは、それまでのユニットバスブームが終焉(しゅうえん)し、バストイレが分けられるようになりました。オール電化がブームになったり、再びガスキッチンが主流になったりと、毎年のようにこの『はやり』は変わります。寝室を広く取ることが主流だったときもあれば、居室は4.5~5畳程度に小さくし、その分リビングを広く取る部屋がはったこともあります。ですので、収納が多く作られた時代の物件を探せばいいのですが……。残念ながらどの物件がどうというところまでは僕自身把握していないので、間取りを見て、ご自身で探すしかないでしょう」 特に「デザイナーズ物件」ブームの折は、極端に収納がない部屋が多く作られていたという。瑤子さん夫婦が住むタワマンも、もしかしたらそうした「見栄え重視」の部屋がはやっていた年に建てられたものかもしれない。 「会社が借り上げているのであれば、そう簡単には変更できない可能性もあります。家具を処分するなり、持ち物を減らすなりして、広さを保つ努力をされてみたほうが早いかもしれませんよ」 トイレの上部等のデッドスペースを収納として利用したり、壁面収納家具を利用するなど、住む側にも工夫が必要だろう。「狭い」と嘆くよりも、自身の暮らしを見直す機会と捉えたほうが良さそうだ。 □姉帯裕樹(あねたい・ひろき)「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。
和栗恵