千葉・花見川でかなえた終の夢 ゴルフ場に住み日がな一日浸る 2018年アカデミー設立「若者に夢や希望を与える環境を」 ジャンボ尾崎イン・ドリームランド
【ジャンボ尾崎 イン・ドリームランド】 東関東自動車道千葉北インターを降りて10分足らず。千葉県千葉市花見川区の閑静な場所に、緑鮮やかな芝生と樹木に包まれた一見公園のような広大な景色が現れる。 【写真】ジャンボ尾崎「英莉花にはついていけない」一番弟子にエール よく見るとここは公園ではなく、小さなゴルフ場だった。 そう今では全国にその名を知られる「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」である。 小さいといっても敷地は3万3000m2(1万坪)あり、野球場なら3個分、サッカーグラウンドなら4面分に相当する。 適度なアンジュレーションの芝地の中には280ヤードのドライビングレンジ、2面のパッティンググリーン、バンカーもあり、本物のゴルフコースを想定しての様々な練習ができる環境が整っている。 また敷地の隅には、そう大きくはない平屋の家屋と、その向かいに、こぢんまりした小屋もある。 実はこの家屋こそ、一世を風靡した尾崎将司が居住する家であり、また小さな小屋はクラブなどをフィッティングする工房だった。 だが、この施設、当初は「アカデミー」を目的に造られたものではない。今から20年ほど前、尾崎が55歳でツアー最年長優勝記録となる「全日空オープン」(現ANAオープン=札幌GC輪厚コース)で勝利し、これを機に現役から退いた後に、もう一つの夢のために建設したものだった。 元々尾崎の究極の夢は、「自分の所有するゴルフ場の中で居住し、日がな一日大好きなゴルフに浸る」ことだったという。 終の夢を実現させた場所、いわば理想を描いた「パラダイス」(古代ペルシャ語が語源の囲われた快適な場所)がここだったのだ。 もちろんその裏には、第一線から退いた後、自分の培った経験を生かして様々な実験を試みて、ゴルフ界に貢献したいという思いがあった。そして2018年念願の「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の創立に至ったわけである。 尾崎はスタートに当たってこう言っている。 「以前から私の元には、ジュニアを始め、若手ゴルファーが集まってきます。ジュニアや若手の育成については、日本とアメリカではその環境において彼我の違いがあります。日本にはない若者に夢や希望を与える環境をつくりたい。その思いがアカデミーの創立につながったのです。ゴルフを純粋な『スポーツ』として定着させたい。それが私の第二の人生の役目と思っていますから」