大股で歩く、アプリで聴力チェック… 認知症予防のためにすぐやるべきこと7選
寝る前にスマホを触らない
【スマホを寝室に持ち込むのをやめる】 スマートフォンやパソコンの画面が発する強い光を夜に浴びると、活動時に働く交感神経が優位になり、目がさえて眠りづらくなります。加えて睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が抑制され、体内時計が乱れて睡眠の質が下がります。 理想は、夜間はスマートフォンやパソコンを見ないこと。しかし、仕事などで難しい人もいるでしょう。せめて、寝室に持ち込むのはやめるべきです。 睡眠と脳は非常に深い関係があります。ラットを使った動物実験で、睡眠時間を短くすると脳にアミロイドβがたまることが分かっています。人間でも、一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるという報告があります。 他に「寝具や寝室環境の見直し」「睡眠直前の食事をやめる」「寝る前に軽いストレッチをする」「朝起きたら太陽の光を浴びる」なども、睡眠の質を高めることに役立ちます。
食事と認知機能の関連
【食事の品数を増やし、食卓を彩りよく】 認知症予防の食事としてエビデンスがあるのが、地中海沿岸の国々で伝統的に食べられている地中海食。 では、日本食はどうなのか? 国立長寿医療研究センターが、日本人のエビデンスを得るために食事と認知機能の関連を横断的に検討し、結果を発表しています。それによると「DHAの血中濃度が高い=魚をよく食べている」「乳製品やココナツミルクに多い短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸の摂取が多い」「緑茶を日常的に飲んでいる」「アミノ酸摂取量が多い」人は認知機能が保持されている――。 いずれも日々の食事に取り入れたいポイントですが、同センターの研究結果には、もっと簡単に、今すぐ取り入れられそうなものがありました。それは「さまざまな食品群をバランスよく食べている食の多様性が高い人ほど認知機能が低下しにくい」というもの。 「食の多様性」はつまり、さまざまな料理を食べているということ。「パンとコーヒー」ではなく、「ご飯、みそ汁、サラダ、煮物、納豆、緑茶」といった具合です。研究では「主食も、混ぜご飯やオムライスなど具材入りで、サラダや煮物、汁物は具だくさん」が良いと報告しています。 「食の多様性」を実現するには、献立を考える、食材を買いに行く、料理を作る、余った食材の使い道を考える……と脳を働かせなければなりません。自炊派でなくても、多種多様な料理を食べるために、どこで何を買うか/食べに出かけるか、考えなければならないでしょう。食が豊かになり、栄養面も良くなる。認知症予防にならないわけがありません。