大股で歩く、アプリで聴力チェック… 認知症予防のためにすぐやるべきこと7選
40~50代がドミノ倒しの始まり
アルツハイマー病は、25~30年という長い年月をかけて発症に至ります。それは、ドミノ倒しに似ています。始まりは、“脳内のゴミ”に例えられるアミロイドβが何らかの理由で分解、排出されなくなり、くっつき合うこと。それがタウというタンパクの蓄積・凝集を招き、神経細胞が変性し死滅。認知機能低下の症状が出てくるのです。 一般的な認知症の発症が65歳以降であることを考えると、40~50代がドミノ倒しの始まり。認知症というと随分先のように感じるかもしれませんが、予防策を取り入れるタイミングは「今」です。 とはいえ、やるべきことがたくさんあり過ぎると、人は実践を後回しにしてしまうもの。選択肢が多いほど選べなくなる心理現象を示した「決定回避の法則(ジャムの法則)」もあります。そこで厳選した「今すぐやるべきこと」を紹介しましょう。
アプリでも聴力チェックが可能
【聴力をチェック】 子どもたちが聞こえると言っている「20代」の音が、私には聞こえない――。数年前、こんな投稿がTwitter(現X)にアップされ、話題になったのがパナソニックのウェブサイト「聞こえチェック」。 聴力は加齢で低下します。聞こえなくなるのは、高音域から。このサイトでは10段階の音域が流れるようになっており、20代の目安が1万9000ヘルツ、30代の目安が1万7000ヘルツ……というように、年代ごとの「聞こえる音域」が記載されています。 同様のサイトやアプリは複数登場しています。いずれも診断用の聴力検査ではなく、聴力を詳細に調べるには耳鼻咽喉科を受診しなければなりませんが、こういったサイトやアプリの利用で、自分の聴力が年代相応か、それ以下なのか、見当をつけられます。 「ランセット」誌の認知症リスク因子12項目のうち、最も認知症への影響が大きいとされたのが難聴です。頭部外傷が3%、高血圧が2%、喫煙が5%とされる中、難聴は8%。難聴があると周囲とのコミュニケーションも難しくなるでしょう。それによって起こり得る社会的孤立もリスク因子12項目に入っており、その影響は4%となっています。 聴力が衰えているなら、補聴器で聴力を補う。「若いから聴力は大丈夫」とは言えません。ヘッドホンやイヤホンの使用で、聴力低下の若者が増加傾向にあるのです。こういった音響性聴器障害(または騒音性難聴)は二度と回復しません。早めに気づき、対策を講じることは聴力を守り、認知症予防になります。