名将から言われた「急に無理だぞ」から6年、東海大浦安の指揮官が貫く、徹底した本気の指導
東海大時代に経験し、学んだこと
そんな瀬戸監督だが、現在のチームだから細かなことに対して徹底してこだわっているわけではない。東海大浦安に監督として就任した当初から、ずっと伝え続けてきた。選手指導の本質的な部分だった。 「選手たちは凄いと思うんですよ。それはうちの選手に限らず、どこの選手も毎日の厳しい練習に耐えて、一生懸命取り組んでいますから。だから私も本気になって接してあげないと失礼だと思うんですよね。 あとは、高校野球はあくまで教育機関であり、プロ野球ではありません。だから取り組む姿勢も大事に指導してあげて、『社会に出たときはこうなんだぞ』っていうことも少しでも伝えることが出来たら、ということも考えています」
瀬戸監督は東海大浦安に赴任する前、母校・東海大でコーチ、助監督という立場で指導経験を積んできた。そのキャリアが大きかったという。 「東海大は大所帯ですし、強豪の主将やエース格などが集まりますから、面白さも苦労もありました。けどその分、チーム作りはもちろんですが、選手たちを大人扱いするじゃないですが、リスペクトすることも学びました。 大学生なので、『大人だぞ、任せたぞ』って言ってあげて、選手たちから動くようにしていました。それが高校球児相手でも残っていて、少しおおらかに接しているところがあるかもしれません」 瀬戸監督が話した、「選手たちから動く」ことの重要性。さらには先述した細かなことへの徹底ぶり、実はあるチームとの練習試合を通じて、矢澤主将たちは実感したという。
「県大会前に一度、東海大相模と練習試合をする機会がありました。もちろん選手の能力も凄かったんですけど、『何が何でもやってやる』という姿勢、負けん気は凄く印象深くて圧倒されました。ああいった自分たちでどんどん動けるチームが勝ち上がれると思いましたし、プレーするのは1人なので、考えて動けることが強いチームになると思いました」(矢澤主将) 「プレーは相模の方が上でしたけど、全力疾走など当たり前なこと、細かな部分に対しても相模はちゃんとやっていた。そういったところは、自分たちも見習わないといけないと感じました」(高橋 洸内野手) 特に矢澤主将については中学時代、強豪・湘南ボーイズに所属しており、「全員がレギュラーを奪いに行く。闘争心がチーム全体にあった」と振り返り、自分たちから意欲的に動いていくことの大切さを語った。