騒音とまで言わないけれど驚いてしまって…自宅近くを走る電車はなぜ通るたびに警笛鳴らすのか JRに理由を尋ねると…
長野県の安曇野市を通る大糸線
「JR大糸線の列車が自宅近くを通るたびに警笛を鳴らす。理由を調べてほしい」。こんな投稿が長野県安曇野市穂高柏原に住む男性から本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に寄せられた。北アルプスの麓を走る列車が柏矢町駅と穂高駅の間を通る際、決まって警笛を鳴らすという。 【写真】脱線してクレーン2台でつり上げられる電車
夏に窓を開けていると…
男性は穂高柏原に暮らして約30年になるが、今年の初め頃に警笛の音が気になり始めたという。鳴らすのは柏矢町―穂高間を通る上下線で「騒音とまでは言わないが、夏に窓を開けていると少し驚かされることがある」と語った。
JRの答えは
JR東日本長野支社(長野市)広報室に理由を尋ねると、すぐに回答があった。「柏矢町駅と穂高駅の間には警報器や遮断機のない『第4種踏切』があります。当社では、第4種踏切を列車が通る際に警笛を鳴らすようにしています」。安全対策の一環で、踏切を渡る歩行者に列車の接近を知らせる意味があるという。
踏切を通る時「キューン」
記者が地図を確認すると、柏矢町駅の北側約550メートルに「矢原(やばら)踏切」があった。現地に足を運ぶと、警報器や遮断機のない第4種踏切だった。そのうちに列車がやって来て「キューン」と高音の警笛を鳴らした。
「安心安全のために」
広報室によると、JR東日本が管轄する県内の線路には第4種踏切が33カ所ある。列車が第4種踏切を通過する際は、時間帯にかかわらず必ず警笛を鳴らしている。過去に第4種踏切で事故が相次いだことを受け、2017年からこうした対応を取っているという。「乗客と沿線住民の安心安全のために必要な対策です」と理解を求めている。
「事故防止のためなら気にならない」
取材結果を男性に伝えると「納得した。事故防止のためならば音も気にならない」と語った。