【体験談】志望校が決まらない息子に、母が提案した絞り込みメソッド 9校受験、費用と結果は…?
高3の夏まで志望大学や学部を決められずにいた息子さんに、母親の高田ひろみさん(仮名)はある提案をしました。キャリアコンサルタントの経験を生かした、そのアドバイスとは? 志望校をどうやって絞り込んで、併願校の受験日程を決めたのか。大学受験までの道のりを振り返ってもらいました。 【写真】早稲田、明治、立教…息子さんの受験結果は?
政治から法律、スポーツ、芸能までいろいろなことに興味をもつ息子は、大学や学部選びに苦労しました。将来については、「法学部に行こうかな」「会計士はどうかな」「スポーツトレーナーもいいな」といろいろと考えていたようですが、高3になって周囲の友人たちが志望校を絞っていく時期になっても、なかなか方向が定まりませんでした。 息子から悩みを打ち明けられた私は、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つを掛け合わせたものが「本当にやりたいこと」、つまり適職につながるというメソッドをやってみようと提案しました。私自身がキャリアコンサルタント時代に活用していた適職診断のメソッドで、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』(KADOKAWA)の著者、八木仁平氏が開発したものです。 息子の好きなものは、「スポーツ」や「焼きそば」(笑)。得意なことは「国語」や「いろいろなことを知ること」で、大事なことは「家族や友達と楽しく生きたい」や「仲間と目標を達成して喜び合いたい」でした。それらを掛け合わせると、スポーツ新聞やスポーツ雑誌に関わる職業が見えてきました。 自分が目指すべき道がわかってからの息子の行動は早かったです(笑)。まずは新聞社や出版社など、マスコミ系に強い大学・学部を調べ、そのなかから就職実績が高い早稲田大学の文化構想学部や社会科学部という目標にたどり着きました。
オープンキャンパスで感じた、新しい世界
適職診断をした時期と前後して、息子は早稲田大学と一橋大学のオープンキャンパスに行きました。この時はまだ明確に志望校が絞りきれていなかったので、本人いわく「なんとなく選んだ2校」でしたが、これが転機となりました。 一橋大学はこぢんまりとしていて、学生も真面目な印象だったといいます。一方、早稲田大学は施設も大きく、個性豊かな学生ばかりだったそうです。「こんな世界があったんだ」と刺激を受けて帰ってきました。息子は元来、真面目なタイプです。一橋大学に進学したら、これまでと同じような学生生活を送ることや、その先の人生までもが想像できてしまったといいます。一方、早稲田大学なら、見たことのない世界や会ったことがない人と出会い、変化を楽しめるのではないかと感じたようです。 息子の気持ちは早稲田大学に傾いているように見えましたが、夏休みは一橋大学の受験対策をしていました。息子が通っていた千葉県立高校は、国公立大進学を目標に掲げる子が多い学校でしたので、第1志望を私立大にするとは、なかなか学校にも親にも言えず、葛藤があったようです。 第1志望が一橋大学ではないことを知ったのは、息子の後輩の親御さん経由でした。しかも、「早稲田に行くって聞いたよ!」と言われたので、驚きました。これまで息子は、「自分では何も決めてこなかった」とよく言っていました。私からすると、高校選びも部活選びも自分で決めていたのですが、決断力のなさをコンプレックスに感じていたようです。それならば、大学は自分で選んだという経験をしてもらおう。そして息子が悩んで迷って決断したのなら、親は全力で応援するしかないなと思いながら、息子の覚悟が決まる日を待っていました。 最終的に、早稲田大学文化構想学部を第1志望に決定。併願校として、早稲田大学の社会科学部と文学部、立教大学社会学部、明治大学情報コミュニケーション学部を一般選抜で受験することにしました。また、共通テスト利用で明治大学情報コミュニケーション学部、法政大学社会学部、東洋大学社会学部にも出願し、国立大学は2次試験が英語のみで負担の少ない横浜国立大学経営学部を受けることにしました。結局、国立大学も受験することに決めたのは、「自分の力を試したい」という気持ちが強かったようです。