【電子機器を投げつけ】職員アンケートで暴かれた兵庫県・斎藤知事の「横暴言動」と「新たな大問題」
兵庫県の斎藤元彦知事(46)が、いよいよ窮地へと追い込まれている。 本日(8月23日)から開催される百条委員会では、自ら死を選んだ元幹部職員A氏(享年60)の告発文をもとに職員やOBなど10名に対し、パワハラの事実確認などの証人喚問が実施される。その作業に伴って、県職員など9700人を対象とし、そのうち約6700人から得られたアンケート回答の中身が明らかになりつつある。 「対応は適切」と開き直り…斎藤知事が残した「耳を疑う」答弁 百条委員会の委員の1人が明かす。 「約95%が知事に対して否定的です。8月5日までに回収できた4568件の回答のうち、職員が記名で書いたものが333件ある。そのうち、『本委員会での証言や聞き取りの調査等へ協力する』、つまり委員会への出廷も可能だと答えた職員の数は231件。無記名での回答も可能なのに、これだけの数の職員が協力すると答えてくれた。証言の中身も非常に具体的なものとなっています」 知事のパワハラ疑惑に関しては「知っている、人づてに見聞きした」という回答の合計が38.3%(1750人)に上ったことも明らかになっている。前出の委員によれば、「実際にパワハラを見聞きした、経験した」という職員の数も59人を数えているという。民間企業から知事への贈答品の受領疑惑については20.7%(946人)が「見聞きした」と回答。職員の約4割が知事のパワハラを認識しているという、異常な事態となっている。 斎藤知事のパワハラに関して、どんな回答が寄せられているのか。FRIDAYデジタルの取材で浮かび上がってきた具体的な中身は以下のようなものだった。 ・30分間もエレベーターのボタンを押し続けさせられた ・理由の説明なく、個室の控室を用意させられる ・控室では姿見の用意が必須 ・イベントでマスコミがいないと怒られる ・車中で座席を蹴られた ・電子機器を投げつけられた ・机を叩いて怒られた 4月下旬に丸尾牧県議が実施したアンケートに寄せられたパワハラ、A氏が告発文に記したパワハラ以外にも、多数のパワハラ疑惑があることが今回のアンケートで判明した。 前出の委員が補足する。 「特に『個室を取らないと怒られる』、『机を叩かれた』、『エレベーターで待たされると怒る』という回答が非常に多くみられた。いずれも理由が不明で、知事自身の感情に左右される理不尽な行為という印象を職員が受けている。管理職が知事のそうした気質を把握していて、部下の職員に指示を出していたという旨の記載が目立ちます」 当の斎藤知事は8月20日の記者会見で、「そういった認識はない」とパワハラ疑惑を完全否定。「(百条委の)調査に対応し、県政を前に進めていく」と、一連の問題が発覚した当初から何度も繰り返している言葉を口にした。 当然、知事には冷ややかな目線が向けられている。 今回の調査に先立って職員へ独自にアンケートを実施した丸尾牧県議が述べる。 「アンケート結果を見て、“パワハラは日常的に行われていたのではないか”という印象を受けました。証人喚問に呼ばれる可能性もあるなか、少なくない数の職員が記名で委員会への協力を申し出ているという事実が職員の危機感、知事への不信感、命を絶ったA氏への想い、県政の健全化を願う職員の強い意思を表していると感じました」 今回のアンケート結果の一部は、30日に予定される知事の証人喚問でも争点となってくるだろう。9月には、告発書にも書かれていた贈答品や優勝パレード、公益通報の嫌疑についても調査が進む。「知事には他にも追及されるべき重大な問題がある」と明かすのは前出の委員だ。 「A氏のパソコンを押収したり、A氏と関係があった職員に“スマホを見せろ”と迫った人事当局の『通信の秘密を軽視した態度』も問われるべき問題です。生前、A氏のために行われた送別会に参加した職員によれば、会場に来た人事当局から私用スマホの開示を任意で求められ、うち何人かは応じざるを得なかったそうです。プライバシー保護を無視した、強引かつ高圧的な言動があったわけです。職員たちは“協力を拒めば人事上での不利益を被る可能性もある”と感じたでしょう。そんな職場でいったい誰が働きたいでしょうか」 次々とパワハラ疑惑が浮かび上がっている斎藤知事。既に記者会見でパワハラに関する多数の質問が飛んでいるが、知事はそれらをのらりくらりとかわしてきた。だが、8月30日から実施される証人喚問では曖昧な回答に終始することは許されない。 具体性に富んだ職員たちのアンケートが持つ意味は、それだけ重い。
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