皇后さま61歳、公表された感想全文…陛下とのオックスフォード大再訪「思い出深い滞在に」
英国への訪問を準備していただいた日本と英国双方の関係者の皆様の尽力に重ねまして深く感謝いたします。
国内では、地方での公務のために4つの県に足を運びましたが、それぞれの県での行事に出席することができたほか、地域の自然・風土、歴史や文化にも触れ、行く先々で多くの方に温かく迎えていただいたことを大変有り難く思いました。
五輪・パラに感銘
今年の夏に開催されたパリオリンピック・パラリンピック競技大会では、出場した日本の選手たちが素(す)晴(ば)らしい活躍を見せました。それぞれの選手が培ってきた力を尽くして競技に臨む姿や、団体競技では、チームの団結力や選手たちの間の絆(きずな)が印象に残る大会となったことに感銘を受けました。
また、米国メジャーリーグの大谷翔平選手が、54本塁打、59盗塁を記録し、メジャーリーグ史上初の1シーズン「50(本塁打)-50(盗塁)」を達成し、3度目のMVPに輝きました。ほかの日本人選手たちの活躍も目覚ましく、様々な分野で、こうした若い人たちが日々の努力の積み重ねにより新たな世界を切り開いていく姿は、多くの日本の人たちに明るい希望と勇気を与えてくれたものと思います。
今年、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞することになったことも印象に残りました。来年、戦後80年を迎える中、被爆された方々の痛みや苦しみ、そして長年にわたって活動を続けてこられた方々の御苦労に思いを馳(は)せつつ、平和な世界を築いていくために、世界の人々がお互いの理解に努め、力を合わせていくことの大切さを改めて感じています。
百合子妃殿下の薨去、心から哀悼
皇室においては、先月、三笠宮崇仁親王妃百合子殿下が御長寿を全うされ、薨(こう)去されたことを寂しく思っております。妃殿下には、三笠宮様と共に、長年にわたって私たちを温かく見守っていただきました。平成5年に、皇太子殿下との婚約が内定いたしました後に三笠宮邸に御挨拶に伺い、両殿下で温かくお迎えいただきましたことを懐かしく思い出します。また、日頃からいろいろと良くしていただいておりましたことに深く感謝し、心から哀悼の意を表します。